就職氷河期世代、退職金課税見直しでさらなる試練?!

就職氷河期世代にとって、厳しい時代が続きます。バブル崩壊後の就職難を乗り越え、ようやく安定が見えてきた矢先に、退職金課税の見直しが議論されています。将来への不安を抱える氷河期世代にとって、この見直しはどのような影響を与えるのでしょうか?本記事では、退職金課税見直しと氷河期世代の現状、そして専門家の意見を交えながら詳しく解説していきます。

氷河期世代を取り巻く厳しい現実

1990年代から2000年代にかけての就職氷河期に社会に出た世代は、正社員の職を見つけることが困難でした。フリーターや派遣社員として働き続け、現在も不安定な雇用状況にある人が少なくありません。政府はハローワークに専門窓口を設けるなど支援策を講じていますが、十分とは言えないのが現状です。

就職氷河期世代への影響を示すグラフ就職氷河期世代への影響を示すグラフ

ネット上では、「氷河期世代が退職を考える時期に退職金課税…」「年金も怪しいのに、氷河期世代の人生はどうなるのか」といった悲痛な声が上がっています。

退職金課税見直しの背景と影響

第一生命経済研究所首席エコノミストの永濱利廣氏は、現在の退職金課税制度について、「戦後の終身雇用を前提に、企業による長期勤続の奨励策として導入された」と解説しています。

第一生命経済研究所首席エコノミストの永濱利廣氏第一生命経済研究所首席エコノミストの永濱利廣氏

そして、今回の見直しが氷河期世代に大きな影響を与える理由として、「まさに就職氷河期世代は、これから退職を迎える40代〜50代前半。せっかく長く働いても、退職金の制度変更によって受け取れる金額が減ってしまう可能性がある」と指摘しています。

賃金の伸び悩みと生涯賃金への影響

永濱氏はさらに、就職氷河期世代の賃金についても言及。2023年の賃金動向を分析し、「中小企業は人材確保のため賃上げを行っている一方、大企業は賃金が減少している。これは、30代後半から50代前半の就職氷河期世代の賃金が大きく下がっているため」と述べています。つまり、30年ぶりの賃上げムードの中でも、氷河期世代は恩恵を受けられていないのです。

生涯賃金への影響も深刻です。永濱氏によると、「女性の社会進出が進み賃金は上昇傾向にある一方、男性、特に団塊ジュニア世代は若い頃よりも現在の賃金が低い。これは明らかに生涯賃金に影響している」と警鐘を鳴らしています。

氷河期世代の未来は?

退職金課税の見直しは、厳しい状況にある氷河期世代にとってさらなる打撃となる可能性があります。政府は、氷河期世代の不安を解消し、安心して老後を迎えられるような対策を早急に講じる必要があります。 我々も、この問題について継続的に注目し、最新の情報をお届けしていきます。