【野党ウオッチ】「通告漏洩」問題はフェードアウトなのか 





国会の質問通告が「漏洩した」と訴える国民民主党の森裕子参院議員。左は同党の原口一博国対委員長=10月16日、国会内(春名中撮影)

 今国会は12月9日の会期末まで1カ月を切った。立憲民主党や国民民主党などの野党統一会派は連日、閣僚2人の辞任という敵失や、大学入学共通テストの英語民間試験をめぐる政府の不手際などを攻め立てている。ただ一時、あれほど声高に言い立てていた国民民主党・森裕子参院議員の質問「漏洩」問題は、追及の動きがすっかり弱くなった。「国会議員の質問権の侵害」などの大仰な物言いの割には、フェードアウトも早かった。

「調査チーム」会合が2週間以上開かれず

 「質問をする前に内容がすべてネット上にさらされ、質問されると困る人たちによって、ものすごいバッシングを浴びる。そのことで質問をやめてしまう議員がいるかもしれない」

 森氏は10月24日の野党「質問通告漏洩問題調査チーム」などの会合でそう述べ、追及姿勢を強めていた。他の野党議員も競うように役人を責め立て、質問「漏洩」の犯人捜しをすると息巻いていた。

 実際のところ、このころには森氏らの動きに眉をひそめる野党関係者もいた。ある野党幹部は「暴走だ。暴走しすぎて姿も見えなくなった」と苦笑しつつ、この動きが国会対策上の駆け引きの一環だとして「フェードアウトする」とも予想していた。

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