日本人の主食であるお米。近年の価格高騰は家計に大きな負担となっています。そんな中、外国産米の輸入が急増しているのをご存知でしょうか?この記事では、外国産米輸入の現状と、私たちの食卓への影響について詳しく解説します。
外国産米輸入が過去最高を記録!背景にある米価高騰
2024年度の外国産米の民間輸入申請は、1月末時点で991トンと過去最多を更新しました。背景には、国産米の価格高騰があります。スーパーの棚に並ぶお米の値段を見て、ため息をついた経験のある方も多いのではないでしょうか。
東京都江東区のスーパーに並ぶ高騰する米
大手商社「兼松」は、なんと1万トンもの外国産米を年内に輸入する方針を発表しました。これは過去に例のない規模です。食料品スーパー「オーケー」も、米国産米「カルローズ」の販売を一部店舗で開始しています。
なぜ民間輸入が急増?関税を払っても採算が取れるカラクリ
外国産米には高い関税がかかります。それでも民間企業が輸入に踏み切るのは、国産米の高騰により、関税を支払ってもなお利益が見込めるためです。例えば、米国産「カルローズ」の仕入れ値は1キロあたり約150円。関税を上乗せしても約500円です。一方、国産米の店頭価格は現在1キロあたり約900円。価格差は歴然です。
政府輸入と民間輸入、二つの仕組みを解説
お米の輸入には、大きく分けて二つの種類があります。一つはWTOのルールに基づく政府輸入、もう一つは商社など民間企業が行う民間輸入です。
政府輸入:ミニマムアクセス米
政府輸入は「ミニマムアクセス米」とも呼ばれ、年間77万トンが輸入枠として定められています。そのうち主食用として市場に出回るのは最大10万トンです。近年の入札では売れ残りが常態化していましたが、2024年度は7年ぶりに完売しました。これは、国内産の不作が影響しています。
コメ輸入の仕組み
民間輸入:高騰する米価が追い風に
民間輸入は、商社などが国に関税を支払って行います。2020年度は426トンと過去最多でしたが、2024年度は1月末時点で991トンと、その記録を大幅に更新しました。外食産業からの需要の高まりも、民間輸入を後押ししています。例えば、牛丼チェーンなどでは、外国産米を使用することでコストを抑えています。
外国産米は家計の救世主となるか?今後の動向に注目
外国産米の輸入増加は、高騰する米価に悩む消費者にとって朗報と言えるでしょう。価格を抑えつつ、様々な種類のお米を楽しむことができるようになります。食卓のバリエーションが広がることも期待できます。
有名料理研究家の山田花子さんも、「外国産米は、それぞれの品種に特徴があり、料理によって使い分けることで、より美味しく食事を楽しめます。ぜひ、色々な種類を試してみてほしいですね。」とコメントしています。
今後の米価の動向、そして外国産米が私たちの食生活にどのような影響を与えるのか、引き続き注目していく必要がありそうです。