霞が関のベールに包まれた政界情報をお届けするjp24h.com。今回は、2025年度予算案成立の裏で繰り広げられた、財務省と各党の駆け引きに迫ります。予算案の行方を左右するキーマン、そして財務省が最後に繰り出した“切り札”とは?
維新への根回し:揺れる党内事情と財務省の苦悩
2025年度予算案成立に向け、財務省が最も注力したのは日本維新の会への説得工作でした。高校授業料無償化を巡る攻防では、私立高校への支援拡大を交渉材料に、なんとか合意を取り付けました。この困難な任務を担ったのは、主計局の吉野維一郎次長。
かつて馬場伸幸氏が代表を務めていた時代、維新内部は比較的まとまりがあり、交渉もスムーズに進んでいたと言います。しかし、前原誠司共同代表の登場により、党内は分裂の兆しを見せていました。前原氏に対する反発の声も上がっており、一枚岩とは言えない状況。
こうした複雑な党内事情の中、吉野次長は馬場氏や遠藤敬氏をはじめとする「堺・泉州グループ」の議員たちに、予算修正案の説明と頭を下げる日々を送ることになったのです。
吉野次長が議員会館を奔走する様子
国民民主党との決裂:「103万円の壁」と財務省の塩対応
当初、予算修正協議の主役に躍り出ると見られていた国民民主党。しかし、玉木雄一郎代表が「103万円の壁」打破のため、基礎控除178万円への引き上げに固執したことが、官邸と自民党執行部の反感を買いました。
国民民主党の要求は、当初予算の大幅な増額修正を意味していました。この状況を打開するため、財務省が持ち出したのが“切り札”、内閣の予算提案権でした。過去の答弁を根拠に、「国会による大幅な予算増額は憲法で認められていない」という論理を展開。予算減額や金額据え置きでの組み替えは認められるものの、増額は不可能という立場を明確にしたのです。
この戦略を主導したのは、主計局の小澤研也法規課長。開成高校、東大法学部出身で国家公務員試験をトップ合格したという秀才です。財政法令にも精通しており、新川浩嗣次官と共にこの論理武装を構築しました。 財務省は、国民民主党への交渉を早期に打ち切り、「塩対応」に転じたのです。
財務省の切り札:内閣の予算提案権
吉野次長は、議員会館での説得工作の中で、「過去4回の当初予算修正でも、増額の例はありません」と繰り返し主張。内閣の予算提案権を盾に、国民民主党の要求を突っぱねました。
財政問題に詳しい専門家、A氏(仮名)は、「財務省としては、予算編成権を堅持するために、国民民主党との対立も辞さなかったのでしょう」と分析しています。B氏(仮名)も、「内閣の予算提案権を強調することで、野党の要求を牽制する狙いがあったと考えられます」と述べています。
2025年度予算案:今後の展望
2025年度予算案は、財務省の巧みな戦略により、維新の合意を取り付けることに成功しました。しかし、国民民主党との溝は深く、今後の政局に影を落とす可能性も否定できません。jp24h.comでは、引き続きこの問題を追跡し、最新情報をお届けしていきます。