オーストラリア鉄道旅行の黄金時代、そしてワーホリの現実

かつて、オーストラリアの雄大な自然を駆け抜ける列車に揺られ、旅情に浸る日本人観光客の姿が数多く見られました。今回は、オーストラリア鉄道旅行の黄金時代を振り返りつつ、近年のワーキングホリデーを取り巻く現状について考えてみましょう。

日本人観光客で賑わったオーストラリア鉄道

かつて、オーストラリアは日本人にとって憧れの旅行先でした。新婚旅行やバックパッカー、団体旅行など、様々な形でオーストラリアを訪れる日本人が後を絶ちませんでした。特に、鉄道旅行は人気が高く、ケアンズのキュランダ観光鉄道や、シドニーとパースを結ぶ長距離列車「インディアンパシフィック」、そしてアデレードからアリススプリングスを経由してダーウィンまでを繋ぐ「ザ・ガン」などは、多くの日本人観光客で賑わっていました。エアーズロック観光と組み合わせた「ザ・ガン」ツアーも大変好評で、私も旅行会社勤務時代、お客様に自信を持っておすすめしていたことを覚えています。

キュランダ観光鉄道の列車キュランダ観光鉄道の列車

ニュージーランドの「トランツ・アルパイン号」や、カナダの雄大なロッキー山脈を横断する「カナディアン号」も、日本人にとって人気の鉄道旅行でした。これらの列車は、車窓から広がる美しい景色と共に、忘れられない旅の思い出を乗客に提供していました。

ワーホリブームと現在の厳しい現実

1980年代から2000年代にかけて、オーストラリアはワーキングホリデー制度を利用する日本の若者たちで賑わっていました。「働きながら旅ができる」という魅力に惹かれ、多くの若者が異国の地で新たな経験を積むためにオーストラリアへと渡りました。当時のワーホリは、旅がメインで、働くことはあくまで旅費を稼ぐための手段という認識が一般的でした。航空券もワーホリビザ所持者には優遇措置があり、より気軽に海外旅行を楽しむことができました。

しかし、近年、ワーホリを取り巻く状況は大きく変化しています。円安や日本の低賃金などを背景に、より良い収入を求めてワーホリを選ぶ人が増えている一方で、現地での仕事探しは厳しさを増しています。十分な仕事が見つからず、滞在費が底をついてしまうケースも少なくありません。

オーストラリアのワーホリビザに関する情報サイト「GoGoAustralia」によると、近年、都市部での仕事競争が激化しており、地方での就労を検討することも重要とのことです。また、飲食店専門の求人サイト「Hospoworld」のデータでは、ホスピタリティ業界の求人は増加傾向にあるものの、経験や語学力などが求められるポジションも多いようです。

変化するワーホリの現状を知る

かつては憧れの海外旅行、そして自由な旅の象徴でもあったワーホリ。しかし、その現状は大きく変化しています。渡航前にしっかりと情報収集を行い、現実的な計画を立てることが、より充実したワーホリ体験に繋がるのではないでしょうか。

例えば、フードライターの山田花子さん(仮名)は、「ワーホリに行くなら、事前に現地の求人情報や生活費などを詳しく調べておくことが大切です。また、自分のスキルや経験を活かせる仕事を探すことも重要です。」とアドバイスしています。

まとめ

オーストラリア鉄道旅行の黄金時代から、ワーホリの現状まで、時代と共に変化する旅のスタイルについて考えてみました。海外旅行を計画する際は、最新の情報をしっかりと確認し、自分に合ったプランを立てることが大切です。この記事が、皆さんの今後の旅行計画の参考になれば幸いです。