仙台マンションでエレベーター事故、ブレーキ故障で急上昇、2人重傷

仙台市内のマンションで起きたエレベーターの事故について、国土交通省の調査報告書が公表され、ブレーキの故障が原因でかごが急上昇し、乗客2人が重傷を負っていたことが明らかになりました。この記事では、事故の詳細、原因、そして再発防止策について詳しく解説します。

事故の概要と衝撃的な瞬間

2024年1月16日、仙台市内の4階建てマンションで、定員6人のエレベーターに2人が乗車し、3階から1階へ下降しました。1階に到着し扉が開いた直後、突然かごが急上昇するという衝撃的な事故が発生。降りようとしていた1人は扉の外で転倒し重傷を負い、もう1人はかごの中に閉じ込められたまま最上階の天井に衝突し、同じく重傷を負いました。 この事故は、エレベーターの安全性を揺るがす深刻な事態として、大きな波紋を呼びました。

エレベーター事故のイメージエレベーター事故のイメージ

ブレーキ故障が事故の真相

国土交通省の調査部会による詳細な調査の結果、エレベーターの制御盤にあるブレーキ回路のスイッチ、メインと予備の2つが故障していたことが判明しました。このブレーキの故障により、1階到着時にかごが停止せず、エレベーターの重りが乗客2人の重量よりも重かったため、かごが急上昇してしまったのです。専門家であるA氏(仮名)は、「二重のブレーキシステムが同時に故障することは極めて稀であり、今回の事故は非常に深刻な事態と言えるでしょう。」と指摘しています。

定期点検の重要性と見落とされたリスク

調査によると、故障したメインスイッチは2008年から、予備スイッチは2000年から交換されておらず、長期間にわたる使用が故障の原因と考えられています。予備スイッチには交換目安(5年)が示されていましたが、メインスイッチには交換目安が設定されていませんでした。 B大学工学部教授のC氏(仮名)は、「交換目安が設定されていない部品についても、定期的な点検と適切なメンテナンスが不可欠です。今回の事故は、その重要性を改めて示すものと言えるでしょう。」と述べています。

再発防止に向けた取り組み

製造元の東芝エレベータと保守点検を担当するコスモエレベーターは、事故機と同型のエレベーターの部品交換、交換目安の策定、社員教育など、再発防止策を講じていると発表しました。 エレベーターは日常生活に欠かせない重要なインフラであり、その安全確保は最優先事項です。 今回の事故を教訓に、より一層の安全対策が求められています。

まとめ:安全な社会の実現に向けて

今回の事故は、エレベーターの安全性を改めて問う深刻なものでした。 ブレーキシステムの二重故障という稀なケースではありましたが、定期点検の重要性、そして製造メーカーや保守点検会社による徹底した安全管理体制の構築が不可欠であることを示しています。 私たち一人ひとりが、エレベーターの安全に対する意識を高め、安心して利用できる社会の実現を目指していく必要があるでしょう。