三谷幸喜新作ドラマ、豪華キャストも視聴率低迷の深層:なぜ「手遅れ」と囁かれるのか

著名な脚本家・三谷幸喜氏(64)が手掛ける民放ゴールデン・プライム帯の連続ドラマ『もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう』(フジテレビ系)が、その豪華な布陣にもかかわらず、視聴率の低迷と辛辣な世論に直面している。放送開始直後からSNS上では厳しい意見が相次ぎ、「三谷作品で初めてつまらない」「俳優の無駄遣い」といった声が散見された。

期待と裏腹な初回からの厳しい評価

三谷氏が民放のゴールデン・プライム帯ドラマで脚本を執るのは実に25年ぶりであり、その復帰作として放送前から大きな注目を集めていた。さらに、主演の菅田将暉をはじめ、二階堂ふみ、神木隆之介、浜辺美波といった主役級の俳優陣が顔を揃え、NHK大河ドラマに匹敵する豪華キャストとして話題を呼んだ。しかし、高まった期待値とは裏腹に、10月1日放送の初回ではX(旧Twitter)上で冒頭のような批判が殺到。視聴者の心を掴むには至らなかった。

視聴率の継続的な下落と見逃し配信の現状

初回放送の厳しい反応を受け、10月8日に放送された第二話では、X上で「面白くなってきた」「展開がすごい」といった肯定的な声が増加したかに見えた。しかし、実際の視聴率はさらなる下落を見せた。初回は世帯視聴率5.4%、個人視聴率3.1%(関東地区/ビデオリサーチ調べ)と振るわなかったものの、第二話では世帯4.4%、個人2.3%とさらに落ち込み、その後も低迷が続いている。見逃し配信サービスTVerのお気に入り登録者数も芳しくなく、ポジティブな意見の増加は、むしろ批判的な視聴者が離れていった結果と分析されている。

脚本家・三谷幸喜氏。彼の新作ドラマは豪華キャストにも関わらず視聴率が低迷している脚本家・三谷幸喜氏。彼の新作ドラマは豪華キャストにも関わらず視聴率が低迷している

「手遅れ」となる制作スタイルの影響

テレビ局関係者は、現状に対して「もはや手遅れ」と厳しい見方を示している。コロナ禍以降、多くのテレビドラマ制作は「放送しながら撮影を進める」旧来のスタイルから、「放送前にすべて撮り終える」プリプロダクション型に移行している。今回の三谷ドラマも既に全編の撮影が終了しており、視聴者の反応を見てドラマの内容を変更したり、テコ入れをしたりすることが物理的に不可能となっているのだ。この制作体制が、不評に対する柔軟な対応を阻み、状況を打開できない要因となっている。

メインプロデューサー退社がもたらす影響

さらに、ドラマのメインプロデューサーであるA氏がフジテレビを退社していたという本誌(「週刊女性PRIME」)の報道も、少なからず影響を与えている可能性が指摘されている。フジテレビ側は「個人のプライバシーに関わる」として否定も肯定もしていないが、もし事実であれば、既に撮了した作品とはいえ、敏腕プロデューサーの不在はスタッフのモチベーションに影響を及ぼしかねない。現場には「今さら何をやっても無理」という諦めムードが広がり、低迷を打開するための新たな仕掛けを考える期待感も薄れているという。

三谷ドラマは全10回で、先日第5話が放送されたばかり。後半での奇跡的な巻き返しが期待されるが、現状の多層的な課題を鑑みると、その道のりは険しいと見られている。

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