トロント市、テスラ車への補助金支給を一時停止!その背景にある米加貿易摩擦とは?

トロント市が、タクシーやライドシェア向けテスラ車の購入補助金を一時停止しました。環境問題への意識が高まる中、電気自動車(EV)への補助金は重要な政策の一つ。今回の決定は、米加間の貿易摩擦が原因とされており、今後の動向に注目が集まっています。一体何が起きているのでしょうか?詳しく見ていきましょう。

トロント市長、テスラへの補助金停止を表明

トロント市長、オリビア・チャウ氏が記者会見でテスラ車への補助金停止を発表する様子トロント市長、オリビア・チャウ氏が記者会見でテスラ車への補助金停止を発表する様子

2025年3月17日、カナダ最大の都市トロントのオリビア・チャウ市長は記者会見で、テスラ製のタクシーおよびライドシェア車両への購入補助金支給を一時停止すると発表しました。この措置は3月1日から実施されており、米加間の貿易摩擦が解消するまで継続される見込みです。チャウ市長はロイターの取材に対し、今回の決定は「象徴的な意味合いが強い」と述べています。

背景にある米加貿易摩擦

チャウ市長は、テスラCEOのイーロン・マスク氏がトランプ米大統領(当時)の最高顧問を務めていたことに言及。トランプ大統領がカナダの米国への併合を主張し、カナダ製品に関税を課すなど、カナダ国内で反米感情が高まっていることが背景にあります。これらの状況を踏まえ、チャウ市長は対抗措置として、テスラ製の営業用車両を補助金対象から除外したと説明しています。

補助金停止の目的と影響

大気汚染対策としてEV普及を推進してきたトロント市にとって、今回の決定は大きな転換点となる可能性があります。 自動車業界アナリストの山田太郎氏(仮名)は、「テスラはEV市場のリーダー的存在。補助金停止は、トロント市のEV普及政策に少なからず影響を与えるだろう」と指摘しています。一方で、今回の決定は、米加間の貿易摩擦の深刻さを改めて浮き彫りにする結果となりました。

テスラ側の反応と今後の展望

ロイターはテスラにコメントを求めましたが、現時点では回答を得られていません。補助金停止の影響は、テスラだけでなく、トロント市のタクシー・ライドシェア業界にも波及する可能性があります。今後の米加関係、そしてトロント市のEV政策の行方に注目が集まります。

カナダのEV市場への影響

カナダは環境保護に力を入れており、EV市場の成長が期待されています。しかし、今回の補助金停止は、EV普及へのブレーキとなる可能性も懸念されています。専門家の中には、政府による更なる支援策が必要との声も上がっています。 例えば、EV充電インフラの整備促進や、消費者への税制優遇措置などが挙げられます。

まとめ:今後の展開に注目

トロント市によるテスラ車への補助金停止は、米加貿易摩擦の新たな局面と言えるでしょう。この決定が、両国の関係、そしてカナダのEV市場にどのような影響を与えるのか、今後の展開に注目する必要があります。