韓国政府が先月26日に海洋調査船を派遣し、中国が無断で設置した構造物を調査しようとした西海(黄海)の暫定措置水域は、韓中の排他的経済水域(EEZ)が重なっていて、「海の国境線」に相当する境界線の確定を留保しているデリケートな水域だ。
消息筋によると、先月26日午後2時30分ごろ、韓国海洋水産部(省に相当)傘下の韓国海洋科学技術院が海洋調査船オンヌリ号(1422トン)を暫定措置水域に派遣し、中国が無断で設置した構造物に対する調査を試みたという。韓国の情報当局は今年初め、中国が同水域に直径50メートル、高さ50メートル以上の移動式鉄骨構造物1基を設置していたことを把握していた。中国は昨年4-5月にも近隣水域に構造物2基を設置している。
このため、オンヌリ号が構造物に対する調査に着手するや、近くに待機していた中国側要員4人がゴムボート2隻に乗って接近してきたとのことだ。刃物を所持する要員らはボートをオンヌリ号に接近させ、韓国の要員が調査装備を投入するのを阻んだという。これに対し、韓国海警も艦艇を急きょ派遣し、現場で中国海警局と約2時間にわたり対峙(たいじ)したとのことだ。暫定措置水域に相手国との合意なく施設物を設置することについて、専門家らは明白な合意違反だと見なしている。ただし、中国は該当構造物について「漁業補助施設(養殖場)」だと主張しているという。
イ・ミンソク記者