トランプ氏、エプスタイン・メモ巡るボンディ司法長官への支持貫く:MAGA内で亀裂も

勾留中に死亡した米富豪ジェフリー・エプスタイン元被告に関する司法省のメモが公開され、支持者の一部から批判が上がる中、トランプ大統領はウィリアム・ボンディ司法長官を擁護する姿勢を明確にしている。SNSへの投稿で、ボンディ氏は「素晴らしい仕事をしている」と称賛した。

トランプ氏は投稿で、支持者の一部がボンディ氏を追い詰めていると指摘。「我々は一つのチームだ。MAGA(米国を再び偉大に)だ。今の状況は気に入らない。完璧な政権、世界中で話題になっている政権があるのに『利己的な人々』が決して死なない男、ジェフリー・エプスタインのせいで、その政権を傷つけようとしている」と述べ、ボンディ氏への批判が政権を傷つける行為であると示唆した。

ボンディ司法長官への揺るぎない支持

非公開の場でも、トランプ氏はボンディ氏への支持を強固にしている。情報筋によると、大統領は週末に最も声高な批判者数名に電話をかけ、メモを巡る批判を沈静化させようと試みた。

12日には、ボンディ氏への批判が相次いでいた保守系活動家チャーリー・カーク氏の団体が主催した学生集会について、カーク氏に電話し、ボンディ氏への支持を改めて伝えた。

トランプ氏、エプスタイン・メモ巡るボンディ司法長官への支持貫く:MAGA内で亀裂もボンディ司法長官、米ホワイトハウスでの閣議に出席。エプスタイン・メモ問題の渦中

トランプ氏の周辺は、一部の批判者に対して態度を和らげるよう求めている。現時点で司法長官を解任するつもりはないとも伝えたが、状況はいつでも変わり得るとも付け加えた。13日、ニュージャージー州で行われたクラブワールドカップ決勝の会場では、トランプ氏がボンディ氏に親指を立てる姿が写真に収められ、公の場での支持を示す形となった。

FBI副長官の辞任検討とメモの内容

一方で、連邦捜査局(FBI)のボンジーノ副長官は、メモ公表を巡る司法省との対立から辞任を検討していると報じられている。トランプ氏は13日、記者団からボンジーノ氏の現状について問われ、「そう思う」「元気だった」と述べ、同日中に連絡を取ったことを示唆した。

問題となっている司法省が公開したメモは、エプスタイン元被告が「顧客リスト」を保持していた証拠や、拘置所で殺害された証拠はないとしている。この内容が、右派活動家のローラ・ルーマー氏や元大統領首席戦略官のスティーブ・バノン氏ら、トランプ氏の支持者や元側近の怒りを招いた。ルーマー氏はボンディ氏の解任を要求し、バノン氏はポッドキャストで政権の透明性への取り組みに疑問を呈した。

MAGA内の不信感と政治的影響

トランプ陣営の顧問は、今回のメモ公開を「政治的悪夢だ」と評している。見る人がより少ないであろう連休前や、2026年の中間選挙後など、公開のタイミングはより適切だったかもしれないとの見方を示した。

エプスタイン元被告は性犯罪に関連して起訴され、拘置中に死亡し、公式には自殺とされている。トランプ氏は2024年の大統領選挙戦で追加資料の公開に言及し、支持者の間では著名人の関与が明らかになることへの期待が高まっていた。しかし、司法省が今回のメモで自殺説を裏付けた形となったため、MAGA陣営内で不信感が高まる事態となっている。トランプ氏がボンディ氏への支持を続けることは、こうした支持者の間にさらなる亀裂を生む可能性をはらんでいる。