平成27年1月の高波被害で不通となり、代行バス輸送が続く北海道のJR日高線鵡川(むかわ)-様似(さまに)間116キロの存廃をめぐり、沿線の7町長は12日午後、新ひだか町で臨時町長会議を開き、同区間のバス路線転換に向けて協議する方針を決めた。
今後は代替となるバス路線について各町がJR北海道と個別に協議し、来年3月をめどに廃線の最終合意を目指すとしている。
終了後、7町長はそろって記者会見を行い、日高町村会長の坂下一幸・様似町長は「各町が条件に合わないこともある。鉄路廃止を容認するために、どのような協議をしていくかという課題が生じる」と述べた。
出席したのは、日高▽平取▽新冠▽新ひだか▽浦河▽様似▽えりも-の7町長。6町長が転換を受け入れ、転換に反対した池田拓・浦河町長は「非常に残念な決定だ」と話した。
日高線は高波被害で線路下の土砂が流失。平成28年の台風でも被害があり、JR北海道がバス転換を提案していた。
決定を受け、北海道の鈴木直道知事は「7町にとって苦渋の選択に敬意を表する。道として、安心して利用できる交通体系の確立に向け全力で取り組むとともに、護岸の復旧などについて関係者間の調整を急ぐ」とのコメントを出した。
一方、廃線に反対している「JR日高線を守る会」の村井直美代表は「バスの乗降が困難な車椅子の人は通院などに制限を受ける。将来的に代替バスが維持できなくなる可能性もあり、過疎化が早まる」と話していた。