全国豊かな海づくり大会への出席辞退要請騒動:岸和田市前市長への「公私混同」疑惑

岸和田市を揺るがした永野耕平前市長の女性問題。その余波は、市政の混乱のみならず、来年岸和田市で開催予定の国民的行事「全国豊かな海づくり大会」にも影を落としているようです。 天皇皇后両陛下も臨席されるこの一大イベントを前に、前市長への出席辞退要請をめぐり、様々な憶測が飛び交っています。

大阪府からの出席辞退要請の真相

事の発端は、ある“怪文書”の存在です。「大阪府が岸和田市前市長に対し、大会への出席を辞退するよう申し入れた」という内容で、府職員を名乗る人物によって配布されたとされています。

岸和田市前市長、永野耕平氏の写真岸和田市前市長、永野耕平氏の写真

文書内では、この要請は大阪府環境農林水産部長によるものであり、吉村洋文知事や大阪維新の会の前田将臣府議の画策によるものだという噂も記されています。 真偽のほどは定かではありませんが、この一件は「公私混同」ではないかとの疑念を生み、波紋を広げています。

関係者の証言と前市長の主張

岸和田市の市政関係者によると、大阪府漁業協同組合連合会(漁連)の組合長が、永野前市長の出席について吉村知事へ面会を申し入れたという情報があります。 また、大阪府の農林水産部長から前市長へアポイントの打診があったことも確認されています。

前市長自身も、大阪府の農林水産部長から直接、大会および実行委員会への欠席要請を受けたことを認めています。 理由は明示されなかったものの、前市長は「私に対する個人的な感情に基づく要請ではないか」と推測し、「選挙で選ばれた市長への出席辞退要請は公私混同だ」と強い憤りを示しています。

漁連の怒りと大会への影響

漁連関係者によると、「全国豊かな海づくり大会」の誘致は長年の悲願であり、20年以上前から実現に向けて尽力してきたとのこと。ようやく開催が決定した矢先に起きた前市長のスキャンダルに、漁連幹部は「天皇陛下の前に出すのは道義的に許されない」と激怒していたといいます。

大阪府側の説明と今後の展開

大阪府環境農林水産部は、部長と前市長が面談し、辞退を申し入れたことは事実だと認めています。 理由については、「当時の前市長を取り巻く様々な報道を受け、各所から懸念の声が上がっていたため」と説明し、委員会の円滑な進行のための総合的な判断であったと主張しています。 また、知事や府議の関与については強く否定しています。

4月6日には岸和田市長選が予定されており、この騒動が選挙結果にどう影響するのか、今後の動向に注目が集まります。 「全国豊かな海づくり大会」という一大イベントを前に、岸和田市を巡る混乱は未だ収束の兆しを見せていません。