韓国野党、大統領権限代行への弾劾を検討で政局混迷深まる

韓国政界は、野党・共に民主党が崔相穆(チェ・サンモク)大統領権限代行の弾劾手続き開始を示唆するなど、混迷を深めています。尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領、韓悳洙(ハン・ドクス)首相に続き、崔相穆代行までも弾劾対象とする可能性が浮上し、政局の不安定化に拍車がかかっています。

共に民主党、度重なる弾劾の動きで政局混乱に拍車

共に民主党は、馬恩赫(マ・ウンヒョク)憲法裁判官候補者の任命問題を巡り、崔相穆代行の職務放棄を理由に弾劾を検討しています。李在明(イ・ジェミョン)代表は、崔代行に対し「職務放棄の現行犯」と強く批判するなど、対決姿勢を鮮明にしています。

altalt

共に民主党は、これまでも重要法案の採決を強行し、大統領や権限代行による拒否権行使を招いてきました。首相や閣僚、検事などに対する弾劾案提出も繰り返されており、その数は29回に上ります。

政治評論家の金成浩(キム・ソンホ、仮名)氏は、「共に民主党の強硬な姿勢は、政局の安定を損なうだけでなく、国民の政治不信を招きかねない」と警鐘を鳴らしています。

弾劾の連鎖で国政停滞の懸念高まる

崔相穆代行が弾劾されれば、国政の混乱はさらに深刻化すると予想されます。後任の代行が選出されたとしても、共に民主党が求める馬恩赫候補の任命は難しいとみられ、政治的対立の長期化が懸念されます。

韓国は現在、経済の低迷や安全保障上の課題など、多くの難題を抱えています。このような状況下で、野党の弾劾攻勢が続くことは、国政の停滞を招き、国民生活への悪影響も避けられないでしょう。

経済専門家、政局混乱による経済への影響を懸念

経済学者の朴美淑(パク・ミスク、仮名)氏は、「度重なる政局の混乱は、企業の投資意欲を低下させ、経済成長の足かせとなる」と指摘しています。また、国際社会からの信頼も損なわれ、韓国経済の国際競争力低下につながる可能性も懸念されています。

共に民主党の真意は?大統領選挙への影響は?

共に民主党が弾劾を繰り返す背景には、李在明代表自身の司法リスクがあるとみる向きもあります。大統領選挙前に政局を混乱させることで、自身の立場を有利にしようと画策しているとの見方も出ています。

今後の政局の行方は、憲法裁判所の韓悳洙代行に対する弾劾審判の結果にも大きく左右されると考えられます。韓悳洙代行が復帰すれば、国政の混乱収拾と米国との関係改善への期待が高まります。しかし、共に民主党が弾劾を継続する姿勢を崩さない場合、政局の混迷はさらに深まる可能性があります。

韓国政治の混乱は、国民生活にも大きな影響を与えています。一日も早い政局の安定化と、国民のための政治の実現が求められています。