インド民間航空当局は17日、12日にインド西部アーメダバードで墜落し約270人が犠牲となったエア・インディア機事故を受け、同社が12~17日夕に計83便を欠航したと発表しました。この欠航には、事故後の現地当局による追加の安全検査などが影響しています。
インド西部アーメダバードにて エア・インディア機墜落事故で家族を亡くし、悲しみに耐える男性
事故後の多数の欠航と当局対応
欠航となった83便は、インド国内の各都市と英国、フランス、アラブ首長国連邦(UAE)、オーストリアなどを結ぶ国際線や国内線に及びました。特に、欠航便のうち66便は墜落機と同型のボーイング787型機でした。欠航の理由として、追加の安全チェックが実施されたほか、一部機体で油圧系の液体漏れといった技術的な問題も報じられています。
航空当局は17日、エア・インディアの幹部らと会合を開き、航空安全基準や規制への継続的な遵守を改めて強く求めました。
墜落の概要と犠牲者の状況
墜落事故は12日午後1時40分ごろ、アーメダバードの空港を離陸した直後に発生しました。この事故により、乗員・乗客に加え、地上にいた医学生らも巻き込まれ、約270人が犠牲となる大惨事となりました。
犠牲者には、地元の州の元首相、海外留学中の学生、婚約したばかりのカップル、そして英国への移住を予定していた家族などが含まれていました。英国の企業に勤めていたハルシット・パテルさん(30)も、妻と共に自宅のある英国へ戻る予定でしたが、この事故で犠牲になりました。彼の父親であるアニルさん(58)は、「息子夫婦は子供を死産し、その心のケアのために一時的にアーメダバードに滞在していました」と、涙ながらに悲痛な胸の内を語りました。
インド西部アーメダバードの建物に残されたエア・インディア墜落機の残骸
事故原因の究明続く
今回の墜落事故の原因については、現時点ではっきりしていません。エンジンの停止など、複数の可能性が指摘されていますが、調査による確定が待たれます。インド政府は事故原因を詳細に究明するため調査委員会を設置しており、今後3カ月以内に最終報告書を公表する予定です。
出典:朝日新聞社