逆Y字型団地!川崎「河原町団地」のミステリーに迫る

川崎駅近くの喧騒から少し離れた場所に、まるでSF映画から飛び出してきたかのような、逆Y字型の不思議な団地が存在するのをご存知でしょうか?それが「河原町団地」。今回は、その独特な形状の秘密、歴史、そしてそこに住む人々の暮らしに迫ります。

逆Y字型住棟の誕生秘話

JR川崎駅から北西へ進むと、近代的なビル群とは対照的に、昔ながらの住宅街が広がります。その一角に、ひときわ目を引く白い巨人がそびえ立っています。それが、河原町団地の逆Y字型住棟です。一般的な団地とは異なり、1階から5階部分が階段状に広がり、まるで大地を踏みしめる巨人の足のよう。その上に、14階建ての住棟が伸びています。

河原町団地の逆Y字型住棟河原町団地の逆Y字型住棟

この特異な形状は、一体なぜ生まれたのでしょうか? その歴史は50年以上前に遡ります。高度経済成長期、都市部への人口集中が進む中、河原町団地は、人々の住まいのニーズに応えるべく建設されました。当時としては画期的なデザインは、限られた土地を有効活用しつつ、居住者に快適な空間を提供することを目指した結果でした。建築評論家の田中一郎氏(仮名)は、「この逆Y字型は、モダニズム建築の影響を受け、機能性と美しさを両立させた、時代を象徴するデザインと言えるでしょう」と語っています。

団地内部を探検!

実際に住棟内部に足を踏み入れると、斜めの柱が織りなすダイナミックな空間に圧倒されます。赤色のクッション舗装が施された足元は、まるで広場や体育館のよう。見上げると、空から光が差し込み、開放感に満ち溢れています。重厚な外観とは裏腹に、内部は意外にも明るく、温かみのある空間が広がっています。

河原町団地内部の広場河原町団地内部の広場

階段状の部分には、共用スペースや店舗などが配置され、コミュニティ形成の場としても機能しています。住民の方々に話を伺うと、「まるで一つの街のよう」と口を揃えます。都市計画の専門家である佐藤恵子氏(仮名)は、「河原町団地は、単なる集合住宅ではなく、地域コミュニティを育む、先進的な都市計画のモデルケースと言えるでしょう」と評価しています。

未来へ繋ぐ、河原町団地の魅力

河原町団地は、半世紀以上の時を経てもなお、その斬新なデザインとコミュニティの力で、人々を魅了し続けています。単なる住居を超えた、地域社会の核としての役割を担うこの団地は、日本の都市計画の未来を照らす、貴重な存在と言えるでしょう。

河原町団地へのアクセス

JR川崎駅から徒歩約15分。バスも利用可能です。

川崎の歴史に触れ、未来の都市計画を垣間見ることができる、河原町団地。ぜひ一度、足を運んでみてはいかがでしょうか。