愛鳥との別れ、その死因は? インコの呼吸器疾患とカビの脅威

オカメインコをはじめとするインコは、その愛らしい姿と仕草で私たちを癒してくれる大切な家族です。しかし、インコは呼吸器系の病気を発症しやすい動物でもあります。この記事では、獣医病理医としての経験から、カビが原因で亡くなったインコの事例を通して、愛鳥の健康を守るためのヒントをお伝えします。

インコの香り、”鳥吸い”の注意点

セキセイインコやオカメインコなど、種類によって異なる独特の香りは、「天日干しした布団」や「焼きたてのパン」のようだと表現されることもあります。この香りに癒される飼い主さんも多く、「鳥吸い」という言葉もあるほどです。

alt="オカメインコ"alt="オカメインコ"

しかし、過度な「鳥吸い」は、アレルギーを引き起こす可能性もあるため注意が必要です。鳥への愛情表現は、適切な距離感を保ちつつ行うことが大切です。

あるオカメインコの死

12歳になるメスのオカメインコが、呼吸が荒くなり、鳴き声がかすれるようになり、動物病院を受診するも原因不明のまま亡くなってしまいました。飼い主さんの深い悲しみと、せめて死因を知りたいという願いから、コスメティック剖検が行われました。

剖検の結果:カビ感染による肺炎

剖検の結果、オカメインコの肺には深刻なカビ感染が見られました。これが肺炎を引き起こし、呼吸困難や鳴き声の変化につながったと考えられます。

alt="複数羽のオカメインコ"alt="複数羽のオカメインコ"

鳥類専門医の佐藤先生(仮名)は、「インコのカビ感染は、飼育環境の不衛生や免疫力の低下などが原因となることが多いです。特に高齢の鳥は免疫力が低下しやすいため、注意が必要です」と指摘しています。

インコの健康を守るために

愛鳥の健康を守るためには、日頃から清潔な飼育環境を維持し、栄養バランスの取れた食事を与えることが重要です。また、定期的な健康診断も早期発見・早期治療につながるためおすすめです。

環境と食事の管理

ケージの清掃や餌・水の交換はこまめに行い、カビの発生を防ぎましょう。新鮮な野菜や果物を与え、栄養バランスを整えることも大切です。

定期的な健康診断の重要性

鳥類専門の動物病院で定期的に健康診断を受け、獣医師のアドバイスを受けることで、病気の早期発見・早期治療につながります。

まとめ:愛鳥との時間を大切に

インコは小さな体で様々な病気を抱えやすい生き物です。飼い主として、日頃から愛鳥の健康状態に気を配り、適切なケアをすることが大切です。この記事が、愛鳥との幸せな時間を守るための一助となれば幸いです。