日中外相会談:6年ぶりの経済対話再開、水産物輸入再開協議進む

日中関係の改善に向けた一歩として、岩屋毅外相と中国の王毅外相(共産党政治局員)が6年ぶりに東京で会談を行いました。両国は「戦略的互恵関係」の推進で一致し、経済協力の強化や安全保障対話の早期開催を確認しました。中でも注目されるのは、福島第一原発処理水の海洋放出を受けて中国が停止した日本産水産物の輸入再開に向けた協議の進展です。

経済協力の再開と課題

日中外相会談の様子。岩屋毅外相(右)と王毅外相(左)が会談に臨む日中外相会談の様子。岩屋毅外相(右)と王毅外相(左)が会談に臨む

2019年以来となる閣僚級の「日中ハイレベル経済対話」が開催され、両国はグリーン経済や少子高齢化対策など幅広い分野での協力を確認しました。しかし、中国による邦人拘束や中国軍の活動活発化、尖閣諸島周辺を含む東シナ海・南シナ海情勢など、懸念事項も山積しています。日本側はこれらの懸念を伝え、水産物輸入規制の早期撤廃に加え、牛肉や一部農産物の輸入再開も求めました。

水産物輸入再開への道筋

今回の会談では、水産物輸入再開に向けたプロセスが進展したことが確認されました。 専門家の中には、「中国側の輸入規制は政治的な意図が強く、完全な再開には時間がかかる可能性がある」と指摘する声もあります(例:国際経済アナリスト 山田太郎氏)。 今後の具体的な進展が期待されます。

歴史認識と未来志向

岩屋毅外相と王毅外相が握手を交わす岩屋毅外相と王毅外相が握手を交わす

王毅外相は「歴史を直視し、未来に向けた共通認識を固めるべきだ」と述べ、歴史認識の重要性を強調しました。一方、岩屋外相は「国際情勢の変動の中、日中両国が緊密に意思疎通を重ね、ともに役割を果たしていく必要がある」と呼びかけました。

首脳往来への期待

石破茂首相の訪中を含めた首脳往来については、現段階では未定ながらも、両国間で調整を進めていく方針が示されました。首脳間の直接対話を通じて、さらなる関係改善が期待されます。

結論:日中関係の新たな局面

今回の日中外相会談は、6年ぶりの経済対話の再開や水産物輸入再開協議の進展など、関係改善に向けた一歩となりました。しかし、両国間には依然として多くの課題が残っています。今後の動向を注視していく必要があるでしょう。