アントニオ猪木と橋本田鶴子:知られざる夫婦の物語、献身と支配の狭間で

アントニオ猪木。日本プロレス界の象徴であり、数々の伝説を残したカリスマ。その輝かしい功績の裏には、様々な人間模様がありました。今回は、猪木氏の最後の妻、橋本田鶴子氏との関係性について、弟・猪木啓介氏の著書『兄 私だけが知るアントニオ猪木』を元に深く掘り下げていきます。献身的な妻として猪木氏を支え続けた橋本氏。しかし、その献身の裏には、家族や関係者との軋轢を生む支配的な一面も見え隠れしていました。果たして、二人の関係の真実は何だったのでしょうか?

橋本田鶴子の献身的なサポート:高倉健も認めた気配りの達人

橋本田鶴子氏が猪木氏の生活を支えるマネージャー的存在であったことは、紛れもない事実です。スケジュール管理、食事、服装、そして体調管理まで、まさに至れり尽くせり。1989年公開の映画『あ・うん』でスチール撮影スタッフとして参加した際には、主演の高倉健氏からも絶賛されるほどの気配りの達人だったという逸話も残っています。

映画『あ・うん』のスチール撮影時の様子を想像させるイメージ映画『あ・うん』のスチール撮影時の様子を想像させるイメージ

猪木氏の血糖値測定を、あえて関係者が集まる場で行うなど、自身の存在をアピールするような行動も見られました。献身的なサポートの裏に、計算高い一面が垣間見えることもありました。

支配と排除:家族との確執を生んだ橋本田鶴子の存在

橋本氏の登場は、猪木家にとって大きな変化をもたらしました。猪木氏の身の回りのことを全て管理し、家族や仕事関係者を徹底的に排除しようとする姿勢は、周囲との摩擦を生む原因となりました。

アントニオ猪木と橋本田鶴子のツーショット写真アントニオ猪木と橋本田鶴子のツーショット写真

カメラマンとして猪木氏に近づいた橋本氏。その真の目的は、単なる仕事上の関係を超えた、個人的な繋がりを築くことだったのかもしれません。弟・啓介氏は、橋本氏の行動にどこか芝居がかったものを感じていたと語っています。

真実と憶測:謎に包まれた夫婦の物語

献身的な妻、そして支配的な存在。相反する二つの顔を持つ橋本田鶴子氏。その真意はどこにあったのでしょうか?猪木氏との関係は、今もなお謎に包まれています。

「橋本さんの行動は、猪木氏への深い愛情からくるものだった」と語るのは、当時猪木氏の側近だったA氏(仮名)。一方で、「彼女は猪木氏の名声と財産を利用しようとしていたのではないか」という声も聞かれます。真実は、本人たちにしか分かりません。

猪木氏と橋本氏の関係は、私たちに多くの疑問を投げかけます。献身と支配、愛情と打算。複雑に絡み合った人間模様は、今もなお人々の関心を集めています。