カナダ総選挙、カーニー新首相のもと4月28日実施へ!米国「51番目の州」発言への反発で支持率急回復

カナダ下院の総選挙が4月28日に前倒し実施されることになりました。わずか14日に就任したばかりのカーニー首相の決断です。当初は10月までの実施が想定されていましたが、トランプ前米大統領の「カナダは米国の51番目の州になるべき」発言に対する国民の反発を追い風に、支持率が急回復した自由党は、この勢いに乗じて選挙戦に挑みます。

トランプ氏の発言がまさかの逆効果?カナダ国民の愛国心に着火

カーニー首相は23日の記者会見で、「米国の大統領をコントロールすることはできないが、自分たちの運命は変えることができる」と力強く語り、中間層向けの減税などを公約に掲げ、自由党への支持を訴えました。

長年政権を担ってきたトルドー前首相は、インフレや住宅不足への対応に苦慮し、支持率が低迷していました。CBC(カナダ公共放送)の世論調査によると、トルドー氏が辞任を表明した1月6日時点では、自由党の支持率は20.1%と、保守党の44.2%に大きく水をあけられていました。

しかし、トランプ氏による度重なるカナダへの圧力、特に「51番目の州」発言は、カナダ国民の愛国心に火をつけ、形勢は逆転。米国製品のボイコット運動まで起こるほどの反米感情の高まりを受け、自由党の支持率は急上昇。23日時点では37.5%と、保守党の37.1%をわずかに上回りました。

カナダ国旗カナダ国旗

金融界のロックスター、政界へ!カーニー新首相の手腕に期待と不安

カーニー氏はカナダ銀行とイングランド銀行の総裁を歴任した経歴を持ち、「金融界のロックスター」とも呼ばれるほどの実力者です。リーマンショックやイギリスのEU離脱といった世界的な金融危機への対応で手腕を発揮し、その豊富な国際経験が評価され、今月9日の自由党党首選でフリーランド前副首相ら有力候補を抑え、新党首に選出されました。

政治経験の不足が懸念材料として挙げられていますが、「カナダ経済の安定化に貢献した手腕を政治の舞台でも発揮してくれるだろう」と、トロント大学経済学部の山田教授(仮名)は期待を寄せています。

カーニー首相カーニー首相

カナダの未来をかけた戦い、その行方は?

カーニー新首相にとって、今回の総選挙は初めての政治的挑戦となります。予測不可能な言動で知られるトランプ前米大統領との外交手腕も問われることになるでしょう。果たして、カーニー首相は国民の期待に応え、カナダの未来を切り開くことができるのでしょうか。今後の動向に注目が集まります。

政治経験ゼロからの挑戦、国民の審判はいかに

カーニー首相は、今回の選挙戦で経済政策を中心とした具体的なビジョンを提示し、国民の支持を集めることができるかが焦点となります。 経験不足を補うため、党内外のベテラン政治家との連携を強化していく必要もあるでしょう。

国際社会への影響は?

カナダの総選挙結果は、北米経済ひいては国際社会にも大きな影響を与える可能性があります。新政権の誕生は、カナダと米国との関係、そして世界経済の動向を左右する重要な要素となるでしょう。