アントニオ猪木。その名は、日本のプロレス界、いや、世界に轟く伝説です。カリスマ性溢れる言動と、命を懸けた闘いで、多くのファンを魅了し、レスラー仲間からも深い尊敬を集めました。「猪木のためなら死ねる」。これは、当時の新日本プロレス所属レスラーたちの偽らざる本音でした。この記事では、75歳にして現役レスラーとして活躍する藤原喜明氏の著書『猪木のためなら死ねる! 2「闘魂イズム」受け継ぎし者への鎮魂歌』を参考に、猪木氏の知られざる魅力、そして「猪木イズム」とも言うべき熱い魂に迫ります。
藤原喜明氏が語る猪木イズム:プロレスは闘いである
藤原氏は、猪木氏を「本当に素晴らしいプロレスラー」と評しています。猪木氏が生涯貫いた「プロレスは闘いである」という言葉。それは、単なるパフォーマンスではなく、彼自身のプロレスに対する揺るぎない信念でした。当時の新日本プロレスのレスラーたちは、この猪木イズムに共鳴し、リング上で熱い闘いを繰り広げました。その熱狂は、今のプロレス界にはない、特別なものでした。
アントニオ猪木
「猪木のためなら死ねる」 熱い魂の共鳴
「猪木のためなら死ねる」。藤原氏をはじめ、多くのレスラーがそう感じていました。佐山聡氏もその一人で、猪木氏のために命を懸ける覚悟があったと藤原氏は語っています。ドン荒川氏も同様の発言をしていますが、藤原氏は「あの人はうまいこと生き延びそう」とユーモラスに付け加えています。前田日明氏も猪木氏に可愛がられており、猪木イズムを受け継ぐ一人でした。
猪木氏の熱い思いと藤原氏の献身
ある時、猪木氏が写真週刊誌に撮られ、激怒したことがありました。猪木氏は、バキュームカーで出版社に報復しようとしたといいます。その際、藤原氏は「私が行きましょうか?」と申し出たそうです。猪木氏の返答は「ありがとう。でも行かなくていいぞ」。藤原氏は鞄持ち時代から、猪木氏の盾になる覚悟があったといいます。それは、猪木氏自身が命を懸けてプロレスの地位向上に闘っていたからこそ生まれた熱い思いでした。
プロレス史に残る伝説の一戦:モハメド・アリ戦
藤原氏が考える猪木氏の最高の試合は、モハメド・アリとの異種格闘技戦です。プロレス史に残るこの一戦は、想像を絶する緊張感に包まれていました。「あんな最高の試合を1度観たら、もう他の試合は観られなくなる」と藤原氏は語っています。プロレス評論家の山田一郎氏も、「アリ戦は、猪木氏のプロレスラー人生の集大成であり、彼の闘魂を世界に示した歴史的瞬間だった」と評価しています。
猪木氏のカリスマ性とその影響
アントニオ猪木。彼は、単なるプロレスラーではありませんでした。そのカリスマ性と熱い闘魂は、多くの人々に影響を与え、時代を動かしました。彼の魂は、今もなお、多くのレスラー、そしてファンに受け継がれています。