日産自動車は3月11日、内田誠社長の退任とイヴァン・エスピノーサ氏の新社長就任を発表しました。巨額の赤字とホンダとの経営統合案の頓挫という難局の中、46歳の新社長に託された日産の未来とは? エスピノーサ氏の人物像、そして日産を取り巻く様々な疑問に迫ります。
メキシコ出身の異色の経歴
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メキシコ出身のエスピノーサ氏は、2003年にメキシコ日産に入社後、タイやASEAN地域での実績を経て、グローバル商品企画を担当するなど国際的な経験を積んできました。社内では「車好きの明るい性格」として知られているようですが、一般的には知名度は高くありません。果たして、日産を率いる人物としての実力はどれほどのものなのでしょうか? 自動車業界に精通する専門家、山田太郎氏(仮名)は「グローバル市場での経験は日産の国際戦略に活かせる可能性がある一方、日本の市場や文化への理解が今後の課題となるだろう」と指摘します。
経営手腕と日本語能力への疑問
記者会見では、エスピノーサ氏に通訳が付きっきりだったことが話題になりました。日産の広報担当者は「社内公用語は英語のため経営に支障はない」と説明していますが、今後の経営判断や対外的な交渉において、日本語能力の不足が懸念されるという声も上がっています。特に、再浮上する可能性のあるホンダとの経営統合交渉においては、繊細なコミュニケーションが不可欠となるため、日本語能力は重要な要素となるでしょう。
社外取締役の影響力は?
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今回の社長交代劇の背景には、日産の社外取締役の存在が影響しているという見方もあります。過去にも社長人事への介入があったことから、エスピノーサ氏の選出にも社外取締役の意向が強く反映されている可能性が指摘されています。モータージャーナリストの岡崎五朗氏は、「日産の“本当の実力者”は社長ではなく、社外取締役の中にいるのではないか」と疑問を呈しています。社外取締役の選定基準や責任範囲についても、改めて議論が必要となるかもしれません。
日産の未来を担う新社長
内田前社長の退任劇、そして謎多き新社長の就任。日産自動車は大きな転換期を迎えています。エスピノーサ新社長は、巨額の赤字、経営統合問題といった難題を乗り越え、日産を再生へと導くことができるのでしょうか? 今後の日産の動向に注目が集まります。