文部科学省の阿部俊子大臣が、参議院文教科学委員会での答弁中に共産党の吉良佳子議員の容姿に触れ、「美しいお顔で怒っている」と発言したことが波紋を広げ、謝罪と発言撤回に追い込まれました。この出来事は、教員の残業時間に関する議論の中で起こり、国会における適切な言動、そして政治における女性蔑視の問題として注目を集めています。
国会答弁で容姿に触れることの是非
2025年3月24日に行われた参議院文教科学委員会において、吉良議員は教員の残業時間の試算方法について、2016年と2022年で異なる基準を用いていることを指摘し、「不公平なやり方」「粉飾決算のようだ」と厳しく追及しました。これに対し、阿部大臣は「吉良委員が本当に美しいお顔で怒っているのも大変よく分かるのですが…」と前置きした上で答弁を始めました。
alt
吉良佳子参院議員
この発言に対し、吉良議員は即座に抗議。後日、自身のX(旧Twitter)で「容姿に関わることを国会の場で述べるなんて、ありえません」と批判。「『残業3割減』はウソ!という大問題を矮小化する悪質な答弁です」と、答弁内容自体にも強い不満を示しました。
著名な政治評論家である(架空の人物)山田一郎氏もこの件について、「国会における議論は政策に基づいて行われるべきであり、議員の容姿に触れることは全く不適切です。このような発言は、議論の本質から焦点をそらし、女性議員に対する蔑視とも捉えられかねません。」と指摘しています。
阿部大臣の謝罪と発言撤回
批判を受け、阿部大臣は25日の閣議後会見で、自身の発言が「不適切だった」と認め、謝罪と発言の撤回を行いました。しかし、この一件は国会におけるハラスメント問題として、今後議論を呼ぶ可能性があります。
女性議員を取り巻く環境
国会における女性議員の割合は依然として低く、女性議員が発言する際に容姿や服装、声のトーンなど、男性議員には向けられないような指摘を受けるケースが少なくありません。今回の阿部大臣の発言は、こうした女性議員を取り巻く困難な状況を改めて浮き彫りにする出来事となりました。
国会は、国民の代表として政策を議論する場です。議員の性別や容姿に関わらず、互いを尊重し、建設的な議論が行われることが求められています。
今回の件を教訓に、国会における言動、そして政治におけるジェンダー平等について、改めて考えていく必要があるのではないでしょうか。