【ワシントン=淵上隆悠、ベルリン=工藤彩香】民間の通信アプリを使って米軍の作戦情報が米誌に漏えいしたトランプ政権幹部のやり取りには、欧州への反感を示す投稿も含まれていた。
バンス副大統領はイエメンの反政府勢力フーシへの攻撃で船舶の航行の安全確保を図るスエズ運河を使う貿易は、米国よりも欧州が多いと指摘して作戦に難色を示した。バンス氏が「欧州をまた助けてやるのが嫌なだけだ」と書き込むと、ヘグセス国防長官は「欧州のただ乗りに対する副大統領の嫌悪感は完全に共有している」と応じていた。
欧州側には「米国は信頼できない」(独ツァイト紙)と不快感が広がる。ただ、「欧州が安全保障にもっと力を入れなければならないことには同意する」(英国の前国防相)として安全保障での米国依存からの脱却を促す声も出ている。