藤島ジュリー景子氏「ラストインタビュー」告白本、母メリー氏との確執とSMAP解散の深層

7月18日、旧ジャニーズ事務所の藤島ジュリー景子元社長(58才)が、はじめて胸の内を語った『ラストインタビュー 藤島ジュリー景子との47時間』が出版される。この告白本では、計47時間に及ぶインタビューの中で、ジュリー氏が特に時間を割いて語った嵐の育成と成功、そしてそれが母メリー喜多川氏との関係に複雑さをもたらした側面が明かされている。本書に触れながら、ジュリー氏が明らかにした真実を探る。

藤島ジュリー景子氏が、自身初の告白本「ラストインタビュー」で母メリー氏との複雑な関係を語る様子を捉えた写真藤島ジュリー景子氏が、自身初の告白本「ラストインタビュー」で母メリー氏との複雑な関係を語る様子を捉えた写真

母メリー氏との「確執」

メリー氏は、ジュリー氏が手塩にかけて育てた嵐の成功を純粋には喜んでいなかったという。告白本からは、母と娘の間の「相克」を感じさせる言葉が随所に見受けられるようだ。ジュリー氏によれば、メリー氏には常に娘が自分を超えてはならないという感情があったといい、嵐もSMAPも、ジャニー喜多川氏が育てたグループだという認識を強調していた。メリー氏の側近たちでさえ、嵐に対して「たいしたグループじゃない」といった陰口をたたくことがあり、その中にはSMAPの元マネジャーA氏もいたという。

SMAP解散騒動の裏側

メリー氏が最も重視したのは、弟であるジャニー喜多川氏の功績と、自分の命令に従うスタッフの存在だった。ある時期、メリー氏は従順だったA氏を実の娘であるジュリー氏以上に重用し、彼女のために新会社のポジションまで与えた。しかし、問題はA氏がメリー氏の予想をはるかに超える力をつけ、業界内で権勢を振るうようになったことにある。2015年1月、『週刊文春』の取材に応じたメリー氏は、記者の前で突如A氏を面罵し、「対立するならSMAPを連れて今日から出て行ってもらう」と迫った。この出来事が引き金となり、SMAPの分裂・独立騒動が勃発し、グループは解散へと向かう。ジュリー氏もこのときの生々しいやりとりについて告白している。

解散前、最後の紅白歌合戦に出演したSMAPのメンバーたち。ジュリー氏の告白本で、解散騒動の舞台裏が明かされている解散前、最後の紅白歌合戦に出演したSMAPのメンバーたち。ジュリー氏の告白本で、解散騒動の舞台裏が明かされている

SMAPメンバーの中で、木村拓哉さんだけが独立に同意しなかったことで、5人揃っての独立計画は頓挫した。そして2016年1月、『SMAP×SMAP』(フジテレビ系)内で謝罪会見が生中継された。放送前の打ち合わせに同席したジュリー氏によれば、中居正広さんは「明るい感じでやりたい」と提案していたが、メリー氏に却下され、結果的にダークスーツに身を包んだ5人が沈うつな表情で頭を下げる異様な光景が流されることになった。中居さんの意図とは裏腹に、フジテレビには「まるで公開処刑だ」という抗議が殺到したという。SMAPとほとんど接点がなかったジュリー氏にとって、これは理解不能な異常事態であり、本音では、自分のいないところで解決してほしいとさえ思っていたという。

性加害問題との関連性

ジュリー氏は、おかしいと感じながらも、強大な権力を持つジャニー氏とメリー氏に対して「物を申すことができなかった」と語る。このいびつな家族関係や組織内の力学が、長年にわたる性虐待が見過ごされる風土を醸成してしまった可能性について示唆されている。

「ジャニー喜多川の痕跡を、この世から一切、なくしたい」とかつて語っていたジュリー氏は、今なお「何であんな人のために苦しい思いをしなければいけないのか」という気持ちが拭えずにいると同書で明かしている。ジュリー氏が胸の内を赤裸々に語ったこの告白本を、嵐や元SMAPのメンバーたちがどう受け止めるのか。その衝撃的な内容とともに、彼らの反応にも大きな注目が集まっている。

参考文献

  • 『ラストインタビュー 藤島ジュリー景子との47時間』
  • 女性セブン 2025年7月24日号