ウクライナの情報機関「保安局」(SBU)は9日、ウクライナの対艦ミサイル「ネプチューン」に関する機密情報を中国当局に提供しようとしたとして、スパイ罪の疑いで中国籍の親子2人を拘束したと発表した。侵略を続けるロシアを支援しているとして、ウクライナ側は中国に対する不信感を強めている。
発表によると、キーウに住む元大学生の中国人の男(24)が、ネプチューンの開発に携わるウクライナ人に接触し、文書を受け取ろうとした現場で取り押さえられた。男の父親はウクライナを定期的に訪れており、息子が入手した文書を中国当局に渡す予定だったとされる。
ネプチューンは2022年、露黒海艦隊の旗艦「モスクワ」を撃沈したことで知られる。中国を巡っては、ウクライナ政府は8日、ロシア産の無人機に部品を供給していた中国企業に制裁を科すと発表していた。
中国外務省の毛寧(マオニン)報道局長は10日の記者会見で、ウクライナ当局が中国人親子の拘束を発表したことについて、「状況を確認中だ」とした上で、「中国国民が関係する場合は、法に基づく正当な権利を守る」と主張した。