対馬の観音寺仏像、韓国浮石寺から5月返還へ 100日法要営み、友好の絆深まる

対馬の観音寺から盗難され、韓国に持ち去られていた仏像が、ついに5月に返還される予定です。現在、韓国の浮石寺で100日法要が営まれており、日韓の寺院間の友好交流も深まっているとのこと。今回は、この感動的な返還劇と、未来への希望に満ちた交流について詳しくお伝えします。

観音寺と浮石寺、住職同士の温かい交流

3月26日、対馬市の観音寺の田中節竜住職と、韓国・浮石寺の円牛住職が対面し、懇談を行いました。円牛住職をはじめとする信徒15名は、仏像の無事な返還と、両寺院の友好関係の更なる発展を願い、対馬を訪れたとのことです。田中住職は「仏像を返すという意思を確認できた」と安堵の表情を浮かべました。

韓国の浮石寺の円牛住職と対馬の観音寺の田中住職が懇談している様子韓国の浮石寺の円牛住職と対馬の観音寺の田中住職が懇談している様子

浮石寺側は、返還後も観音寺との交流を深めたい意向を示しており、合同供養の希望も伝えています。田中住職は、5月には観音寺側から仏像を迎えに行く意向を伝えたと述べています。両寺院の温かい交流は、仏像返還後も続いていくことでしょう。

100日法要と厳重な警備体制

現在、浮石寺では、県指定有形文化財「観世音菩薩坐像」の100日法要が5月5日まで続けられています。多くの参拝者が訪れ、仏像への敬意を表しています。警備会社による厳重な警備体制も敷かれており、仏像は大切に守られています。

盗難された観世音菩薩坐像盗難された観世音菩薩坐像

浮石寺側は、5月11日という返還期限までに仏像を返す強い意思を表明しています。円牛住職は、「返還後は合同供養の希望もあり、協議をしていきたい。観音寺との交流が深まることも願っている」と語りました。

レプリカ作成の希望も

浮石寺側からは、返還される観世音菩薩坐像の複製(レプリカ)を作成したいという意向も示されました。これは、仏像への深い敬意と、日韓の文化交流への強い思いの表れと言えるでしょう。レプリカ作成を通して、より多くの人々が仏像の美しさに触れ、歴史的背景を学ぶ機会が生まれることが期待されます。

仏像返還後の未来へ

今回の仏像返還は、日韓の文化交流にとって大きな一歩となるでしょう。観音寺と浮石寺の交流は、両国の友好関係を深めるシンボルとなることが期待されます。今後も、両寺院が協力し合い、文化交流を推進していくことで、より良い未来が築かれることでしょう。