ウクライナ軍、ロシア領内へ越境攻撃か ベルゴロド州で交戦の情報

ウクライナ軍がロシア領内へ越境攻撃を行い、ロシア軍と交戦しているという情報がロイター通信によって報じられました。停戦協議が進む中で、ウクライナ側が交渉を有利に進めるための行動と見られています。

ロシア領内での戦闘激化か

ロイター通信は28日、ロシア軍関係者の話として、ウクライナ軍がロシア西部ベルゴロド州へ越境攻撃を行い、ロシア軍と交戦中と伝えました。戦闘の規模や詳細は不明ですが、無人機などが投入されている模様です。また、米国から供与された高機動ロケット砲システム「HIMARS(ハイマース)」によって、ロシア軍のヘリコプター4機が破壊されたという情報もあります。ロシア国防省は18日、ベルゴロド州への越境攻撃を防いだと発表していましたが、今回の報道が事実であれば、ウクライナ軍の攻勢が激化している可能性があります。

ウクライナ侵攻の戦況図ウクライナ侵攻の戦況図

ゼレンスキー大統領、「一定の措置を取った」と発言

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は28日、ロシア西部クルスク州に展開する部隊へのロシア軍の圧力を緩和するため、「一定の措置を取った」と記者団に述べ、越境攻撃を事実上認めました。ウクライナ軍はクルスク州を一時占領しましたが、ロシア軍が奪還しつつあるとされています。

ゼレンスキー大統領ゼレンスキー大統領

部分停戦合意違反を非難

ゼレンスキー大統領は同日、ロシア軍が部分停戦の合意に反し、27日以降にウクライナ中部ポルタワなどにある複数のエネルギー施設を攻撃したと発表しました。ロシア軍はあらゆる軍事手段を駆使して前進を続けていると批判し、合意の順守に向けロシアへの圧力を強めるよう国際社会に求めています。国際情勢専門家の田中一郎氏(仮名)は、「ウクライナ側の越境攻撃は、停戦協議における交渉力を高める狙いがあると見られる。しかし、ロシア側の反発も予想され、更なる緊張の高まりが懸念される」と指摘しています。

戦況の行方

ウクライナ軍による越境攻撃は、停戦交渉にどのような影響を与えるのでしょうか。今後の戦況の行方が注目されます。