国際原子力機関(IAEA)のラファエル・グロッシ事務局長は6日、ロシア国営原子力企業ロスアトムのアレクセイ・リハチョフ社長と会談した。タス通信によると、リハチョフ氏は、露軍が占拠するウクライナ南部のザポリージャ原子力発電所に残る米国製核燃料の取り扱いを米側と調整するため、グロッシ氏に仲介を依頼した。
タスによると、米国製核燃料は同原発の原子炉6基のうち4基に装填(そうてん)されている。未使用と使用済みの燃料もあり、露側は、米側への返還も含めて対応する用意があるという。グロッシ氏は当事者が合意すれば仲介役を務める意向を示した。
露側は、再稼働に向けた計画を策定しているが、グロッシ氏は「再稼働には、水の安定供給や外部電源の再開など技術的な問題を解決しなければならない」と指摘した。会談は、欧州にあるロシアの飛び地カリーニングラードで行われた。