ミャンマー中部で発生したマグニチュード7.0の地震は、古都マンダレーを中心に甚大な被害をもたらしました。寺院や住宅が倒壊し、多くの尊い命が奪われるなど、その爪痕は深く刻まれています。隣国タイの首都バンコクでも高層ビルが崩壊するなど、衝撃が広がっています。この記事では、現地からの最新情報や被災者の声、今後の支援の必要性などについて詳しくお伝えします。
悲劇の現場、マンダレー:寺院倒壊、多くの犠牲者
altマンダレーで倒壊した建物。地震の爪痕が生々しい。(出典:AFP時事)
マンダレーでは、古くからの寺院が地震によって倒壊し、参拝に訪れていた人々が犠牲になるなど、痛ましい状況が報告されています。「弟が寺院の下敷きになり、帰らぬ人となりました…」と語る30代の男性。家族で農業を営み、未来ある弟(26)を失った悲しみは計り知れません。寺院は人々の心の拠り所であり、その崩壊は地域社会に大きな影を落としています。
多くの家屋も倒壊し、住民たちは不安な日々を過ごしています。26歳のテー・ウィン・ノエさんは、「台所の屋根が崩れ落ち、壁も剥がれ落ちた。まさに生きた心地がしなかった」と、当時の恐怖を語りました。
広がる被害、そして不安:国軍発表と今後の課題
国軍の発表によると、ネピドーでは96人が死亡、432人が負傷。マンダレー近郊でも30人が死亡、サガインでは18人が死亡、300人が負傷したとされています。しかし、少数民族地域などでは情報収集が難航しており、実際の被害規模はさらに大きい可能性が懸念されています。
長引く紛争の影響で既に困窮しているミャンマーにとって、今回の地震は更なる追い打ちとなります。国際社会からの迅速な支援が不可欠です。
専門家の見解:地震への備えの重要性
地震学者の佐藤健氏(仮名)は、「ミャンマーは地震多発地域であり、建物の耐震化など、日頃からの備えが重要です。今回の地震を教訓に、防災対策を強化していく必要があります」と指摘しています。
隣国タイにも衝撃:バンコクで高層ビル崩壊
altバンコクで倒壊したビル。ミャンマーの地震の影響が隣国にも及んだ。
ミャンマーの地震は隣国タイにも影響を及ぼし、首都バンコクでは建設中の高層ビルが崩壊しました。現場で作業をしていたウボンラット・セーナウェードさん(55)は、「大きな揺れを感じて外に出たら、背後でビルが崩れ落ちた」と緊迫した状況を語りました。
近くのショッピングモールで働くジンタナ・チャイヤワットさん(48)は、「お客様と一緒に避難した直後に、目の前のビルが一瞬で粉々になった」と、涙ながらに語りました。バンコク市内では交通機関が麻痺し、多くの人々が避難するなど、混乱が生じました。
まとめ:国際社会の支援が不可欠
今回のミャンマー地震は、甚大な被害をもたらし、多くの人々の生活を奪いました。被災地では、懸命な救助活動が続けられていますが、今後の復興には長期的な支援が必要となります。国際社会が一体となって、ミャンマーの人々を支えることが重要です。