米副大統領、グリーンランド訪問でデンマークを批判 北極圏の安全保障と領有問題に注目集まる

グリーンランドへの米国の関与がさらに強まっています。マイク・ペンス副大統領がグリーンランドの米軍基地を視察し、デンマークの安全保障への取り組みを批判しました。この記事では、副大統領の訪問の背景、グリーンランドの領有問題、そして北極圏における米中ロの戦略的競争について詳しく解説します。

グリーンランド訪問の真意とは?

マイク・ペンス副大統領は28日、グリーンランドにあるビドフィク米宇宙軍基地を視察しました。これは米副大統領によるグリーンランド訪問としては初めてのことです。訪問の目的は、グリーンランドの安全保障問題について議論し、デンマークの防衛投資の不足を指摘することにありました。ペンス副大統領は演説の中で、「デンマークはグリーンランドの安全保障に十分に投資していない」と批判し、米国がグリーンランドの防衛体制強化を支援する意向を示しました。

グリーンランドのビドフィク米宇宙軍基地を視察するマイク・ペンス米副大統領グリーンランドのビドフィク米宇宙軍基地を視察するマイク・ペンス米副大統領

グリーンランド領有問題の再燃

ドナルド・トランプ大統領は以前からグリーンランドの領有に意欲を示しており、今回のペンス副大統領の訪問もその流れを汲むものと見られています。トランプ大統領は、グリーンランド周辺における中国やロシアの船舶の航行増加を指摘し、「国際社会の安全を守るためにもグリーンランドの領有が必要だ」と主張しています。

グリーンランドは豊富な天然資源を有し、北極圏における新航路開発の拠点としても注目されています。米国は、グリーンランドの戦略的重要性に着目し、中国やロシアの影響力拡大を阻止しようと試みています。

北極圏における米中ロの戦略的競争

グリーンランドは北極圏に位置し、地政学的に重要な地域となっています。近年、北極圏の氷の融解が進み、資源開発や新航路開拓の可能性が高まっています。これに伴い、米国、中国、ロシアが北極圏における影響力拡大を競っています。

米国は、グリーンランドの安全保障への関与を強化することで、中国とロシアの北極圏進出を牽制しようとしています。しかし、この動きはデンマークの内政干渉と捉えられる可能性もあり、今後の展開が注目されます。

専門家の見解

国際政治学者の田中一郎氏(仮名)は、「米国のグリーンランドへの関与強化は、北極圏における戦略的競争の激化を反映している。中国とロシアのプレゼンスが高まる中、米国はグリーンランドを重要な拠点と位置づけている」と分析しています。

グリーンランドの将来は?

ペンス副大統領は、グリーンランドが住民投票によってデンマークから独立する可能性にも言及しました。グリーンランドの住民の間では独立への機運が高まっており、今後の動向が注目されます。グリーンランドの独立は、北極圏の安全保障バランスに大きな影響を与える可能性があります。