闇金の帝王と呼ばれた男、波乱万丈の人生:貧困から巨万の富へ

「世の中、金や!」―― 貧困の淵から這い上がり、闇金融で巨万の富を築き上げた男、杉山治夫氏。その波乱万丈の人生は、まさに「金への執着」の物語です。本記事では、報道カメラマン橋本昇氏の新刊『追想の現場』(鉄人社)を元に、稀代の「闇金の帝王」の知られざる素顔に迫ります。

貧困が生んだ金への渇望

杉山氏の幼少期は、想像を絶する貧困の中にありました。船員だった父親は酒と博打に溺れ、家庭は崩壊。農家の納屋で食うや食わずの生活を送り、小学校にも満足に通えなかったといいます。空腹を満たすため、畑から大根を引き抜き、泥だらけのまま口にしたというエピソードは、当時の悲惨な状況を物語っています。

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「ルンペンのガキだった」と自嘲気味に語る杉山氏。しかし、その胸中には「絶対に金持ちになる」という強い意志が燃え盛っていました。この凄まじいまでの金への渇望こそが、後の闇金帝王を生み出す原動力となったのです。

時計店での丁稚奉公、そして独立へ

中学にもまともに行けなかった杉山氏は、地元の時計店で丁稚奉公を始めます。厳しい労働でしたが、3度の食事が何よりの喜びだったといいます。「目が真っ赤になるほど働いた」と語る杉山氏の言葉からは、当時の必死な様子が伝わってきます。

杉山氏は20歳で独立。しかし、裸一貫からの商売は容易ではなく、幾度となく倒産を経験します。そして、否応なく裏社会との繋がりを持つようになっていくのです。

裏社会との繋がり、そして闇金へ

独立後、杉山氏は様々な困難に直面します。中でも、「山菱(暴力団山口組)の若者にボコボコにされ、首だけ出して埋められた」という経験は、まさに九死に一生を得たと言えるでしょう。

杉山氏は、闇金の世界へと足を踏み入れていきます。当時、闇金は社会の影でひっそりと営業していましたが、杉山氏はそれを一変させます。「トイチ」「週倍」「ヒサン」といった法外な金利で、弱みに付け込む闇金。杉山氏はその世界で頭角を現し、「闇金の帝王」と呼ばれる存在へと上り詰めていくのです。

闇金ビジネスでの成功と帝王への道

貧困、丁稚奉公、裏社会との遭遇… これらの経験が杉山氏の金への執着をさらに強固なものにし、闇金ビジネスでの成功へと導いたと言えるでしょう。次回、後編では、杉山氏の更なる成功と、その裏に隠された人間像に迫ります。