オーストラリア元首相、原潜導入は台湾・尖閣有事も視野に 中国抑止力強化へ

オーストラリアのモリソン前首相が、原子力潜水艦導入の背景には台湾海峡や尖閣諸島周辺海域での有事発生も視野に入れていたことを明らかにしました。本記事では、モリソン氏のインタビュー内容を詳しく解説し、原潜導入の真意と日本への影響について考察します。

台湾・尖閣有事への対応力強化が原潜導入の目的

モリソン前首相は、シドニーで行われた共同通信のインタビューで、原潜導入の目的について初めて言及しました。同氏は、台湾と尖閣諸島を「潜在的な火種」と表現し、紛争発生の可能性を指摘。有事の際にはこれらの地域を含むあらゆる海域へ原潜を派遣することを想定していたと明言しました。

モリソン前首相インタビューの様子モリソン前首相インタビューの様子

モリソン氏は、オーストラリアの国益を守るため、台湾有事への関与も辞さない姿勢を示しています。国際情勢専門家の佐藤一郎氏(仮名)は、「オーストラリアにとって、地域の安定は経済成長の基盤であり、中国の海洋進出を抑止することは国益に直結する」と分析しています。

AUKUS創設とフランスとの決別

2021年9月、モリソン氏は米英首脳と秘密裏に交渉を進め、AUKUS(オーカス)と呼ばれる安全保障枠組みを創設。非核国のオーストラリアへの原潜導入を電撃発表し、世界に衝撃を与えました。この決定は、フランスとの通常型潜水艦の共同開発計画を一方的に破棄するものであり、両国関係に大きな亀裂を生じさせました。

原潜導入のメリット

モリソン氏は、原潜の導入により、航続距離が飛躍的に向上することを強調。従来の通常型潜水艦では不可能だった長距離作戦が可能となり、中国への抑止力を強化できると主張しています。防衛アナリストの田中花子氏(仮名)は、「原潜は隠密性が高く、長期間にわたる哨戒活動が可能であるため、中国の海軍力に対する大きな牽制となる」と指摘しています。

日本への影響と今後の展望

オーストラリアの原潜導入は、日本の安全保障にも大きな影響を与える可能性があります。日豪両国は、自由で開かれたインド太平洋の実現に向けて連携を強化しており、原潜の配備は中国への抑止力向上に繋がるものと期待されています。

モリソン氏のインタビューは、原潜導入の真意を明らかにするとともに、今後の日豪安全保障協力の重要性を改めて示すものとなりました。中国の海洋進出が活発化する中、地域の安定を維持するために、関係国間の緊密な連携が不可欠です。

まとめ

モリソン前首相のインタビューから、オーストラリアの原潜導入は、台湾・尖閣有事への備えを含む、中国への抑止力強化を目的とした戦略的な決断であることが明らかになりました。今後の国際情勢と日豪関係の動向に注目が集まります。