フランスの極右政党「国民連合」(RN)の指導者、マリーヌ・ルペン氏が公金不正流用で有罪判決を受け、波紋が広がっています。2027年の大統領選への出馬も危ぶまれる状況の中、今後のフランス政界はどうなるのでしょうか?
ルペン氏に公金不正流用で有罪判決、大統領選への道は?
パリの刑事裁判所は3月31日、マリーヌ・ルペン氏に対し、欧州議員時代の秘書給与不正流用で有罪判決を下し、5年間の公職選出禁止を言い渡しました。この判決が確定すれば、ルペン氏は2027年の大統領選に出馬することが極めて困難になります。ルペン氏自身は判決を不服として控訴する意向を示していますが、控訴審が大統領選までに終了する可能性は低く、今後の政治活動に大きな影を落とすことは避けられないでしょう。
マリーヌ・ルペン氏
裁判所の判断とルペン氏の主張
裁判所は、ルペン氏が欧州議会から支給された秘書給与を、実際にはRNの党運営に携わる職員の給与に充てていたと認定。ルペン氏はこの不正の中心的役割を担っていたと判断されました。一方、ルペン氏は判決を「政治的敵対者による根拠のないもの」と主張し、司法の介入を強く批判しています。
フランス政界への影響は?RNの今後を占う
ルペン氏は次回大統領選の有力候補と目されており、今回の判決はフランス政界に大きな衝撃を与えています。RN内部では、後継者としてバルデラ党首の名前も挙がっていますが、29歳と若く、政治経験の不足を指摘する声も少なくありません。ルペン氏の不在は、RNの支持基盤に大きな影響を与える可能性があります。
世界の右派勢力からも反発の声
今回の判決に対しては、ハンガリーのオルバン首相やブラジルのボルソナロ前大統領など、世界の右派勢力からもルペン氏への支持や司法への批判の声が上がっています。また、実業家のイーロン・マスク氏も「左派による司法の乱用」と批判するなど、国際的な注目を集めています。
オルバン首相
今後の展開は? フランス政治の行方
ルペン氏の控訴審の行方、そしてRNの今後の戦略に注目が集まります。ルペン氏が大統領選に出馬できない場合、フランス政治の勢力図は大きく塗り替えられる可能性があります。今後の展開次第では、フランスの政治的安定にも影響が及ぶ可能性も否定できません。フランス政治アナリストのジャン・ピエール氏(仮名)は、「ルペン氏の不在は、他の候補者にとって大きなチャンスとなる一方、極右勢力の結集力低下にも繋がりかねない。今後のフランス政界の動向を注視していく必要がある」と述べています。