昨年12月に、在日クルド人を中心に始動したサッカーチーム「FCクルド」。現在は小学生が40人、中・高校生が25人ほど所属しており、毎日のように埼玉県内の公園で練習して汗を流している。
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前編記事『《ルポ・クルドの子供たち》「ビザを取るためにプロサッカー選手になりたい」…クルド人サッカーチームの少年が語った「切実な夢」』に引き続き、彼らの知られざる本音に迫った。
ふだんの会話は「恋愛」や「下ネタ」が中心
FCクルドの年上グループは、小学5年生以上が所属している。中高生が大多数を占めるが、ふだんは解体工として働く10代のクルド人少年もいたり、部活やクラブチームと掛け持ちしているメンバーもいる。
そんな彼らの楽しみが、週末の練習終わりに立ち寄るファミレスだ。この取材期間中、記者も2度にわたってファミレスに同行。最初はよそよそしかったが、打ち解けていくにつれて、ふだんの練習とは違う一面を見せてくれた。
彼らの会話の内容は、同世代の日本人男子と同じく、恋愛の話や下ネタが中心だ。中学2年生の少年は、「それ以外にも、練習中に気づいた反省点をみんなで言い合って、『お前これできてないよ』とか『今度はこれをもう少し頑張ろう』とか話し合ったりもする。でも基本的には、みんなで『eFootball』というスマホゲームで対戦したり、下ネタを言い合ったりする感じかな」と笑う。
また、記者が将来の夢を尋ねると、その場にいた全員が「プロのサッカー選手」だと答えた。中学3年生のクルド人少年はこう力強く語る。
「僕たちはみんなプロのサッカー選手を目指している。トルコリーグに所属している『アメドスポル』(クルド文化に根ざしたチーム)にも入りたいけど、人生の大半を日本で過ごしているから、Jリーグを狙いたい。
FCクルドに入ってからは、メティン監督が『ちゃんと自分の敵をマークしておけ』とか『ボールを絶対に取られないようにしろ』とか指導してくれるし、サッカーにおける体の使い方やぶつかり方も教えてくれる。監督は元プロのサッカー選手だから、部活の顧問とは比べものにならないほど知識があるし、教わることは多いよ」