2河川16地点で発生把握も情報出せず 国交省「発表手順を検証」


 台風19号による大雨で、茨城県を流れる那珂(なか)川や久慈(くじ)川で警戒レベル5相当の氾濫発生情報を出さなかった問題で、国土交通省は14日、2河川を所管する常陸(ひたち)河川国道事務所が、情報を出さなかった那珂川の15カ所、久慈川の1カ所で、氾濫発生を把握していたことを明らかにした。

 同省によると、那珂川では河口から6~70キロの計16地点で川の水があふれる溢水(いっすい)や越水、堤防の決壊が発生。最上流の1地点では事後的な点検で確認された。他の15地点は同事務所に情報が入っていたが、1カ所も発生情報を出せなかった。久慈川では計4地点で把握し、決壊した1地点で情報を出せなかった。

 同省は気象庁と合同で14日から検証チームを設置。担当者は「計20カ所の氾濫発生は他の河川事務所より多く、相当混乱していたとみられる。発表手順に問題がないかなど検証したい」と話した。

 河川管理者は氾濫発生を確認した地点ごとに氾濫発生情報を発表しなければならない。台風19号では全国の国管理河川のうち、堤防が決壊した7つを含む計15河川で氾濫が確認されたが、那珂川と久慈川の2河川だけが発生情報を出せていなかった。



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