混乱が続く香港情勢をめぐり、自民党が事態の改善や在留邦人の安全確保を香港当局に求める決議文を15日の党外交部会(部会長・中山泰秀元外務副大臣)で採択することが分かった。政府にも「一国二制度」に基づく自由で開かれた香港の維持・発展を中国政府に働きかけるよう要請する。自民党が香港情勢をめぐり意思表示するのは初めて。
文案では、中国本土への容疑者引き渡しを可能とする「逃亡犯条例」の改正案を発端に混乱が続く香港情勢について「デモ隊と警察の衝突により死者・多数の負傷者が出ていることに深く憂慮する」と明記した。
香港当局には、デモの現場近くにいた男子大学生が死亡した事案の真相究明や、在留邦人らの安全確保を要請する。政府には、人権の尊重や法の支配の重要性について安倍晋三首相を含めたあらゆるレベルで中国政府に働きかけるよう求める。