11月25日、人気YouTuberで元スカパー!女性アナウンサーの青木歌音が自身のX(旧Twitter)を更新し、激化する「中国人への批判」に対し警鐘を鳴らしました。日本と中国の間で高まる緊張は、政治のみならず文化交流にも影響を及ぼし、インターネット上では激しい議論が連日繰り広げられています。
「台湾有事」発言で高まる日中間の緊張
一連の騒動の発端は、11月7日の衆院予算委員会での高市早苗首相の発言にあります。立憲民主党の岡田克也議員からの「台湾有事」に関する質問に対し、高市首相は「戦艦を使って武力の行使も伴うものであれば、どう考えても存立危機事態になりうるケース」との見解を示しました。この発言以降、日中関係は急速に緊迫化し、中国側は高市首相に発言撤回を求める事態に発展しています。
この緊迫した状況は、文化交流にも深刻な影響を与えています。人気アーティストであるゆずやJO1など、日本のグループによる中国公演が相次いで中止となる事態が発生しました。
高市首相の発言を巡り緊迫する日中関係の報道
著名人たちの懸念とSNSでの激論
高市首相の発言と中国の反応に対し、多くの著名人が懸念を表明しています。シンガーソングライターの七尾旅人は自身のXで「高市氏の軽率な自己アピールで、東アジアの安定が大きく損なわれた」と指摘。同じくシンガーソングライターの春ねむりも「黙るな。怒れ。抗議しろ」「お前の音楽がこの世界のどこかで誰かに出会う可能性を、ひとつも、クソ政府のクソ政治家に奪わせるな」と、強い言葉で抗議の姿勢を示しました。
一方で、SNS上では中国側の対応に対する怒りや批判の声も高まっています。中国の薛剣駐大阪総領事が自身のXで攻撃的な投稿を行う(後に削除済み)など、中国軍も中国版SNSで「もし戦争が今日勃発したら、これが答えだ」とする「開戦動画」を公開するなど、挑発的な発信が目立ちます。こうした発信内容がさらなる批判を呼び、SNSは連日収拾のつかない議論の場と化しています。
この過熱する状況に危機感を覚えたのが、YouTuberの青木歌音です。彼女は自身のXで「中国と言う国に対して色々言うのは知りません。でも中国人に対しての悪口はやめた方が良いと思う」と投稿。さらに「今ほとんどのSNSのコメ欄は翻訳機能がある。悪口言ってる日本人が目立ったら日本のイメージも悪くなっちゃう。私半分外国人だから小さい頃から日本人に憧れてたんだよ。カッコよく居続けて欲しい」と続け、日本人としてのイメージや、国際社会における日本の評価を危惧する思いを吐露しました。
長引く騒動の行方:日本政府と中国外務省の応酬
日本政府は11月25日、高市首相の答弁に関して「従来の政府見解を維持しており、見直しや再検討が必要とは考えていない」とする答弁書を閣議決定しました。しかし、これに対し中国外務省の報道官は「まったく不十分だ。ごまかすような手口を使うべきではない」と強く批判し、改めて発言の撤回を要求しています。
高市首相の発言を巡る日中間の緊張は依然として高く、両国の対立は長期化する様相を見せています。政治的な応酬に加え、SNS上での感情的な衝突が続く中、この騒動の今後の展開に多くの注目が集まっています。





