世界中で「ジブリ風AI画像」ブームが巻き起こる中、イスラエル軍が公式SNSにジブリ風のAI画像を投稿し、大きな波紋を広げています。平和と生命の尊さを描くジブリ作品のイメージと、紛争に関わるイスラエル軍の活動とのギャップに、多くの批判が寄せられています。
ジブリ風AI画像とは?その魅力と背景
OpenAIがChatGPTの画像生成機能を改良したことで、より詳細な指示に基づいた画像生成が可能になりました。その結果、世界中のユーザーが「ジブリ風」の美しい風景やキャラクターを描いたAI画像を作成し、SNSで共有するトレンドが誕生しました。まるでジブリ映画の世界に入り込んだような幻想的な雰囲気と、手軽に作成できる点が人気の秘訣です。
イスラエル軍が投稿したジブリ風AI画像。兵士や戦闘機などが描かれている
イスラエル軍の投稿と批判の声
イスラエル軍は「ジブリの流行に乗ってみた」というコメントと共に、兵士や戦闘機などが描かれたジブリ風AI画像を投稿しました。しかし、この行為は多くの批判を招いています。パレスチナ紛争におけるイスラエル軍の行動と、平和を願うジブリ作品の世界観との間に大きな矛盾があると指摘されています。
火垂るの墓との対比
あるX(旧Twitter)ユーザーは、スタジオジブリの名作『火垂るの墓』を引き合いに出し、「ジブリは既に戦争の悲惨さを描いた作品を制作している。AIは必要ない」と批判しました。『火垂るの墓』は戦争によって孤児となった兄妹の過酷な運命を描いた作品であり、イスラエル軍の投稿は戦争の悲惨さを軽視しているように見えると非難されています。
宮崎駿監督の反戦姿勢との矛盾
また、宮崎駿監督の反戦姿勢を指摘する声も上がっています。宮崎監督は、イラク戦争への抗議として『千と千尋の神隠し』のアカデミー賞授賞式への出席を拒否したことで知られています。イスラエル軍の行為は、宮崎監督の信念を踏みにじるものだと批判されています。
パレスチナ自治区ヨルダン川西岸のジェニンに侵入するイスラエル軍の戦車(2025年2月23日)
ジブリ風AI画像の利用と倫理的問題
ジブリ風AI画像は、多くの人々に楽しまれていますが、その一方で政治的なプロパガンダや商業利用など、倫理的に問題視されるケースも出てきています。今回のイスラエル軍の投稿は、その一例と言えるでしょう。AI技術の発展に伴い、その利用方法については更なる議論が必要となっています。
まとめ:ジブリの精神と平和への願い
イスラエル軍のジブリ風AI画像投稿は、大きな議論を巻き起こしました。ジブリ作品が持つ平和へのメッセージと、紛争に関わるイスラエル軍の行動とのギャップが、多くの批判を招いたのです。AI技術の利用は、倫理的な側面も考慮する必要があることを改めて示す事例となりました。