中国海警局、台湾周辺で船舶臨検訓練を実施 ― 軍事演習と連携し圧力強化か

台湾周辺で中国軍が軍事演習を実施する中、中国海警局も同海域でパトロールを行い、船舶の臨検や拿捕を想定した訓練を実施したと発表しました。この動きは、中国による台湾への圧力強化を示唆するものとして、国際社会の注目を集めています。

中国海警局の発表内容と狙い

中国海警局の朱安慶報道官は4月1日、複数の艦隊が台湾周辺海域でパトロールを行い、船舶への臨検や拿捕訓練を実施したと発表しました。朱報道官は「台湾は中国の一つの省」という中国政府の一貫した主張を繰り返すとともに、今回の行動は「一つの中国の原則に基づく、台湾島に対する法的な管理・統制のための実際的行動」であると正当化しました。

中国海警局の船舶中国海警局の船舶

専門家の間では、今回の海警局の行動は、並行して行われている中国軍の軍事演習と連携したものであるとの見方が強まっています。こうした動きは、中国が軍事力だけでなく、海警局という準軍事組織も活用して、台湾への圧力を多角的に強化しようとしていることを示唆しています。

軍事演習の常態化と中国の思惑

中国軍は近年、台湾周辺での軍事活動を活発化させており、軍事演習も常態化しつつあります。過去には、「連合利剣-2024A」(2024年5月)、「連合利剣-2024B」(2024年10月)といった名称が付けられた大規模演習が実施されました。しかし、今回の演習には具体的な名称が付けられていません。

常態化による緊張の高まり

中国国防大学の張弛教授(仮名)は、今回の演習に名称が付けられていない理由について、「こうした演習が常態化し、中国軍東部戦区にとっては日常的な活動となっているため」との見解を示しています。中国軍の呉謙報道官も、台湾周辺での軍事的圧力を「常態化させている」と発言しており、中国が自らの論理に基づき、今後さらに軍事活動を活発化させる可能性が懸念されています。

専門家の中には、中国が軍事演習の常態化を通じて、台湾海峡における現状変更を既成事実化しようとしているとの見方も出ています。こうした動きは、地域情勢の不安定化につながる恐れがあり、国際社会の警戒感が高まっています。

今後の動向に注視が必要

中国海警局による船舶臨検訓練と中国軍の軍事演習の連携は、台湾への圧力強化の新たな段階を示唆するものです。今後、中国がどのような行動をとるのか、国際社会は注視していく必要があります。 日本としても、地域の平和と安定のために、関係国との連携を強化し、適切な対応策を検討していくことが重要となります。