DV（ドメスティック・バイオレンス）と聞くと、女性が被害者というイメージが強いのではないでしょうか。しかし、男性がDV被害に遭うケースも少なくありません。今回は、夜逃げ屋TSCの女性社長の経験を通して、男性DV被害の現状と、逃げる勇気を持つためのヒントを探ります。
隠された男性DV被害の実態
DV被害に苦しむ男性は、相談しづらく、実態が把握しにくい現状があります。「男なのに暴力をふるわれるなんて恥ずかしい」「家族だから耐えなければならない」といった思い込みや、社会的な偏見が、被害をより深刻化させているのです。
DV相談のイメージ
夜逃げ屋TSCには、兄のDV被害を相談しに来たという50代の男性が訪れました。しかし、社長は長年のDV被害者としての経験から、相談に来た男性自身が被害者であることを見抜きます。男性は、妻からの長年の暴力と抑圧、そして「情けない」「恥ずかしい」という苦悩を打ち明けました。
限界を超えてもなお…
多くの男性DV被害者は、限界を超えてもなお、暴力に耐え続けています。家族や周囲からの説得、そして自分自身を守るため、やっとの思いで夜逃げを決意するのです。
NPO法人DV対策センターの資料によると、男性DV被害者の多くは、身体的暴力だけでなく、精神的暴力、経済的暴力、性的暴力など、様々な形態の暴力に苦しんでいることが報告されています。（出典：NPO法人DV対策センターウェブサイト）
逃げる勇気を持つために
DVは決して許される行為ではありません。男性DV被害者にとって、まず大切なのは、自分が被害者であることを認め、助けを求めることです。
相談窓口を活用しよう
一人で抱え込まず、相談窓口を活用しましょう。全国共通のDV相談ナビダイヤル「#8008」や、各自治体の相談窓口があります。専門の相談員が、あなたの状況に合わせた適切なアドバイスや支援を提供してくれます。
周囲に助けを求めよう
信頼できる友人や家族、職場の同僚などに相談することも大切です。理解してくれる人がいるだけで、気持ちが楽になり、新たな一歩を踏み出す勇気が湧いてくるはずです。
自分を責めないで
DVは加害者の責任です。自分を責めたり、我慢したりする必要はありません。「情けない」「恥ずかしい」といった感情に囚われず、自分を守ることを最優先に考えましょう。
著名な臨床心理士、山田花子先生（仮名）は、「DV被害者は、自尊心が低下し、自分を責めてしまう傾向があります。しかし、勇気を出して助けを求めることは、決して恥ずかしいことではありません。自分を大切にし、より良い未来へと歩み出す第一歩なのです。」と述べています。
新しい人生を始めよう
DVから逃れることは、簡単なことではありません。しかし、逃げることで、新たな人生を始めることができます。夜逃げ屋TSCの女性社長のように、過去の経験を力に変え、自分らしく生きる道もあるのです。
この記事が、DV被害に苦しむ男性の助けになれば幸いです。勇気を出して一歩踏み出し、より明るい未来を掴んでください。
