「赤字になるとわかっていても…」相次ぐ森林火災…「焼けた森林」は一体どうなるのか? 


大船渡の森林火災…約21億7000万円の消失!?

避難者数は4300人超 岩手・大船渡の山火事 緊迫と戦慄の「現場写真」

愛媛県の火事はまだ原因がわからないとされているが、大船渡市の火災はゴミ焼きをしていた火が燃え移ったとの通報があり、岡山県の火災は現場付近でガスバーナーを使っていた人がいたとの報告がある。

林野庁によると、日本での森林火災の原因は「たき火」がもっとも多く、その後「火入れ」「放火(疑いを含む)」「たばこ」と続き、ほとんどが人為的なものだとか。加えて、気象変動の影響か、降雨量の少なさによる乾燥が森林火災の規模を大きくしている。

大船渡市の森林火災では、市内の1割近くを焼き、消失面積は3000ha近くになった。いったいどのくらいの価値の山林が失われたのだろうか。

「山の価値は植栽によって、また地域によっても変わります。もし3000haがすべてスギの山林だった場合、日本不動産研究所の全国平均で計算すると約21億7000万円になるでしょうか。

ただ、内閣府の航空写真を見ると、今回焼けてしまった山には広葉樹もあり、スギの山林も伐採後に苗木を植えず、そのままにしているところもあり、実際にはこのような金額にはならないと思います」

こう言うのは日本山林再生株式会社代表の中村純さん。

全部がスギという仮定ではあるけれど、21億円というのは、すごいように思える。しかし、

「樹木には、住宅等の柱になるA材、板になるB材、バイオマスチップになるC材があり、1本の木からA~C材まですべてとれるので、だいたい1㎥1万円くらいになります。しかし、それに対して、搬出などにかかる費用は1㎥8000円ぐらい。健康な山の状態でも、山主さんの手に渡るのは1㎥2000円程度なんです。

ところが山火事に遭うと、樹皮が焦げて用材として使えなくなってしまう。1本丸ごとC材になるしかない。C材は1tあたり5000円程度。木を伐り出したり、搬出するための費用を考えると、切れば切るほど赤字になってしまいます」(中村純さん・以下同)

◆J-クレジットを利用すれば森林の管理費が捻出できる

そのままにしておけば自然に新芽が芽吹いて森林が再生されるようにも思うが、

「樹木は樹皮と幹の間の形成層が膨らんで成長していきます。樹皮がただれると形成層が死んでしまうので、植物として死を迎えます。そのうち倒れてくるので、赤字になるとわかっていても、切らなければなりません」

切ったあとには苗木を植えなければいけない。

「広葉樹は切り株から新芽が出てきますが、スギやヒノキは木を切ったら、10年程度で根も枯れてなくなってしまうんです」

苗木が小さいうちは雑草が覆いかぶさり、光が当たらなくなって枯れてしまうので、苗木を植えてから5年は下草刈りをすることが推奨されている。



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