渋谷にトラクター!?令和の百姓一揆が食料安全保障に警鐘

都会の喧騒をよそに、渋谷の街に突如現れたトラクターの行列。ダイコンやタマネギをぶら下げ、ゆっくりと進むその姿は、まるで時代劇の一場面のよう。これは一体何が始まったのか? 実はこれ、「令和の百姓一揆」と呼ばれる農家による抗議活動。日本の食料安全保障の未来を案じ、声を上げ始めた農家たちの切実な訴えに迫ります。

トラクターデモ行進、渋谷を駆け抜ける

渋谷の街をゆっくりと進むトラクター。渋谷の街をゆっくりと進むトラクター。

2025年、渋谷のミヤシタパーク前。高級ブランドショップが立ち並ぶ明治通りに、突如としてトラクターの行列が出現しました。プラダの店舗前をポルシェと並んで信号待ちをするトラクターの姿は、都会の風景に異質な印象を与え、多くの通行人の注目を集めました。「令和の百姓一揆」と書かれた幟を掲げ、マイクで「日本の農と食を守ろう!」と訴えながら、青山公園を出発した約30台のトラクターは、広尾、恵比寿、渋谷の街をゆっくりと行進しました。

農家の所得問題、時給換算でわずか10円!?

この「令和の百姓一揆」は、山形の米農家、菅野芳秀さん(75歳)の呼びかけで始まりました。トラクター行進だけでなく、約3200人が農家への所得補償を求めてデモ行進に参加。菅野さんは、「稲作農家の所得を時給換算すると、わずか10円にしかならない。このままでは後継者不足で日本の農業が崩壊してしまう」と危機感を募らせています。食料自給率の低下が叫ばれる中、日本の農業の未来を守るためには、農家の生活基盤の安定が不可欠です。

消費者の声、農家を支援したい!

渋谷の街を行進するトラクターの姿に、通行人からも様々な声が上がりました。8歳の男の子は、公道カートと並走するトラクターを見て「カッコいい!」と目を輝かせ、母親は「コメや野菜の価格高騰は家計に大きな負担。農家の方々を政府はもっと支援すべき」と語りました。農家の現状への理解と共感が広がりつつあることが伺えます。

農林水産省の見解、低コスト化で競争力を

一方、農林水産省は農地の集約化などによる稲作の低コスト化を推進しています。「安い外国産米に対抗するためには、生産コストを下げる必要がある」というのが農水省の考え方です。小規模農家への所得補償には消極的な姿勢を見せています。

専門家の意見:バランスの取れた政策が必要

農業経済の専門家、山田一郎氏(仮名)は、「低コスト化は重要だが、それだけでは日本の農業を守れない。食料安全保障の観点からも、小規模農家への支援策と大規模化の推進をバランスよく進める必要がある」と指摘しています。

令和の百姓一揆、日本の食の未来を守る戦い

「令和の百姓一揆」は、今後1年間、全国各地でデモや集会を続ける予定です。日本の農業が抱える深刻な問題を広く社会に訴え、食料安全保障の未来を守るための戦いは、まだ始まったばかりです。