札幌市で15日、路面電車のレールに積もった雪を掃き飛ばす冬の風物詩「ササラ電車」が今シーズン初めて出動した。昨年より1週間早かった。札幌では強い冬型の気圧配置の影響で14日夜から雪が積もり始め、午前9時に約7センチの積雪を観測した。
ササラ電車は午前5時ごろ、2両が事業所をそれぞれ出発。気温氷点下2・3度の中、白とオレンジの光を発しながらゆっくりと進んだ。車両前後に取り付けた竹製のブラシ「ササラ」で勢いよく雪を払った。
写真撮影のため、午前3時ごろから出動を待っていた同市北区の大学院生登坂直紀さん(23)は「市民の足を支える縁の下の力持ち。ありがたく思っている」と話した。
ササラ電車は、竹を細かく割いて円柱状に束ねた「ササラ」約800本を車両の前後に取り付けて高速回転させ、雪や氷を払いのける。大正時代の技師が、鍋や釜を洗う道具をヒントに開発したとされる。