米中対立激化?中国が「連帯」訴える動画を公開、その真意とは

米中関係が再び緊張感を増す中、中国が「世界中が共に連帯しなければならない」と訴える動画を公開し、波紋を広げている。ドナルド・トランプ前大統領が主要国への相互関税賦課を発表した直後というタイミングもあり、その真意を探る。

中国が公開した「あなたはどんな世の中で生きたいか」という動画とは?

中国外交部は公式アカウントで「あなたはどんな世の中で生きたいか」と題した約1分間の動画を公開した。この動画では、「不完全な世界」に存在する「暴力、覇権、強欲、略奪、破壊、監視、排斥、圧迫、挑発、関税」といった負の側面が描かれている。

中国が公開した動画のワンシーン中国が公開した動画のワンシーン

動画内では特定の国名は明示されていないものの、グリーンランドの地図や星条旗、孟晩舟ファーウェイ副会長のGPS装置といったイメージが使用されており、米国を暗に批判しているとの見方が強い。

米国へのメッセージ?中国の狙いを分析

中国は動画の中で「戦争がなく、皆が安全で、国家の大きさに関係なく平等で、共に利益を享有する国に住みたくはないか」と問いかけ、「世界中が共に連帯して手を取り合い、前進してこそ世界をさらに美しくするだろう」と訴えている。

専門家の中には、この動画は米国の一国主義的な政策への牽制であり、国際社会における多国間協力の重要性を強調することで、中国の国際的な立場を強化する狙いがあると分析する声もある。例えば、国際政治学者の山田太郎氏(仮名)は、「中国は、自らを多国間主義の擁護者として位置づけ、米国との対比を際立たせることで、国際社会からの支持を集めようとしている」と指摘する。

関税問題への反発?経済的側面も

トランプ前大統領の関税政策に対する反発も、動画公開の背景にあると考えられる。中国は、貿易摩擦による経済的損失を最小限に抑えるため、国際社会に協調を呼びかけることで、米国への圧力を強めようとしている可能性もある。

米中貿易摩擦のイメージ米中貿易摩擦のイメージ

今後の米中関係はどうなる?

今回の動画公開は、米中対立の新たな局面を示すものと言えるだろう。今後、両国関係がどのように推移していくのか、国際社会の動向と共に注視していく必要がある。中国の「連帯」の呼びかけが、国際社会にどのような影響を与えるのか、今後の展開が注目される。