滋賀冷凍遺体事件:謎深まる堺の清掃員、妻の姿はどこに?

滋賀県長浜市の民家で発見された冷凍女性遺体。事件は複雑な様相を呈しており、謎が深まるばかりです。遺体の身元の特定が難航する中、容疑者の一人として名前が挙がっている大阪府堺市の清掃アルバイト・野中秀紀容疑者(62)の周辺にも捜査の手が伸びています。今回は、野中容疑者の自宅周辺を取材し、浮かび上がってきた彼の生活像や、事件との関連性について迫ります。

謎に包まれた野中容疑者の生活

野中容疑者の自宅は、遺体発見現場を記した遺書を残し、自ら命を絶った夫婦の堺市内の自宅からわずか1キロ圏内。取材班が訪れると、門扉は開けっ放し、部屋の電灯も点いたままでした。窓越しには男性用のポロシャツが干してあり、生活感はあるものの、インターホンを押しても反応はありませんでした。

近隣住民への聞き込みからは、野中容疑者一家は近所付き合いがほとんどなく、謎に包まれた存在であったことが明らかになりました。数年前の引っ越し当初は、夫婦とその子供2人、そして高齢の女性を加えた5人家族で暮らしていたとみられますが、最近は野中容疑者が車庫から車を出入りする姿を見かける程度で、家族構成や生活の様子を知る人はほとんどいませんでした。

alt: 滋賀県長浜市の民家で発見された冷凍遺体事件の関連先とみられる、大阪府堺市の住宅。窓越しに見える部屋干しされた男性用ポロシャツが生活感を漂わせる。alt: 滋賀県長浜市の民家で発見された冷凍遺体事件の関連先とみられる、大阪府堺市の住宅。窓越しに見える部屋干しされた男性用ポロシャツが生活感を漂わせる。

孤立した一家、妻の姿を見た者はいない

近所の男性は、町内会への加入を勧誘したものの断られた経験を語りました。近隣で唯一の賃貸住宅に住む野中容疑者一家は、地域社会との接点をほとんど持たず、孤立した生活を送っていたようです。

「この辺りでは、あのお宅だけが賃貸なんです。大家さんは建て売りのつもりだったけど売れなくて賃貸にして、最初に入居されたのは阪神大震災で被災して避難してきた方だから、かれこれ30年経つね。そのあと借り手は2人くらい変わったかな。今住んでいる人(野中容疑者)は町内会に勧誘したんだけど入ってくれなくて、それで近所でもお付き合いしているお宅がないんですよ。」

さらに、野中容疑者の妻の姿を見たことがある人は、近隣住民の中には一人もいませんでした。

「ご主人風の男性が車で出て行くのはときどき見かけましたが、いつも時間が決まってなくて、定時出勤、という感じではなかったですね。奥さん? 見たことないね。多分今のお宅は、ここへ来て10年は経っていないと思う。」

いつも車庫に停めてあったという軽自動車も、取材時には見当たらず、警察が押収したとみられています。

複雑に絡み合う人間関係

野中容疑者は、遺体で発見された女性とどのような関係にあったのでしょうか。遺体発見現場となった滋賀県長浜市の民家所有者である岩瀬浩一郎容疑者(72)と息子の龍彦容疑者(49)とは親族関係にあるとされており、複雑な人間関係が事件の背景に潜んでいる可能性があります。

(架空の専門家)犯罪心理学者の山田教授は、「閉鎖的な環境で生活していた野中容疑者一家において、何らかのトラブルが発生し、それが今回の事件につながった可能性も考えられる。今後の捜査で、家族間の関係性や、事件に至るまでの経緯を詳細に解明していく必要があるだろう」と指摘しています。

alt: 滋賀県長浜市の民家で発見された冷凍遺体事件の現場となった住宅。事件の真相解明が待たれる。alt: 滋賀県長浜市の民家で発見された冷凍遺体事件の現場となった住宅。事件の真相解明が待たれる。

長期間冷凍状態にあった遺体の死因や死亡時期の特定が難航している中、警察は3人の容疑者の事情聴取を中心に、事件の全容解明を急いでいます。今後の捜査の進展が注目されます。