無関心な夫との離婚、韓国女性の決断:親権と財産分与はどうなる?

結婚生活は幸せなものになるはず…誰もがそう願う一方で、現実は時に残酷な側面を見せることがあります。今回は、夫の無関心によりうつ病を発症し、離婚を決意した韓国人女性の事例を通して、親権や財産分与について考えてみましょう。

夫の無関心が招いた悲劇:うつ病、そして離婚へ

大学時代に出会った年下男性と結婚し、親が用意してくれたマンションで新生活をスタートさせたA子さん。卒業前に出産し、専業主婦として子育てに励んでいました。しかし、幸せな日々は長くは続きませんでした。夫は結婚後、豹変。家計簿への細かなチェック、生活費の出し渋り、そして妻と子供への無関心。休日はゲームに没頭し、A子さんとの会話もほとんどありませんでした。地方都市で孤独な子育てを送る中、A子さんはうつ病を発症。ついには自殺未遂を起こし、数ヶ月もの入院生活を余儀なくされました。

うつ病で苦しむ女性のイメージうつ病で苦しむ女性のイメージ

しかし、A子さんの苦しみを理解するどころか、夫は「実家の育て方が悪い」と、その責任をA子さんの実家に転嫁し、治療費の支払いを要求してきたのです。精神的な苦痛に加え、夫の心無い言葉にA子さんは絶望。ついに離婚を決意しました。

離婚における争点:マンションの所有権と子供の親権

A子さんが抱える大きな問題は2つ。夫名義となっているマンションの所有権と、中学生の息子の親権です。韓国の法律では、これらの問題はどう扱われるのでしょうか?

マンションの所有権:名義は夫でも財産分与の対象となる?

韓国の法律専門家、チョン・ボソン弁護士によると、マンションの名義が夫であっても、結婚生活中に形成された財産は共有財産とみなされます。A子さんの親がマンションを購入したとしても、A子さんが結婚生活を通してマンションの維持に貢献していたのであれば、財産分与の対象となる可能性が高いとのこと。家事や育児もマンション維持への貢献と認められるケースが増えています。

子供の親権:子供の意思と父親の育児への関与が重要

中学生の息子の親権については、子供の意思が最も重視されます。しかし、夫が育児にほとんど関わってこなかった点を考慮すると、A子さんが親権を獲得できる可能性は十分にあるとチョン弁護士は指摘します。子供の福祉を最優先に考え、より良い環境で成長できるよう、裁判所は慎重に判断を下すでしょう。

親子で話し合うイメージ親子で話し合うイメージ

離婚という選択:新たな人生の始まり

夫の無関心によって心に深い傷を負ったA子さん。離婚という選択は、決して簡単なものではありません。しかし、それは同時に、新たな人生の始まりでもあります。A子さんと息子さんが、一日も早く平穏な日々を取り戻せるよう、心から願っています。

この記事は、2023年4月1日放送のYTNラジオ「チョ・インソプ弁護士の相談所」を参考に作成しました。