韓国で発生した山火事の中、全身に火傷を負いながらも我が子を守り抜いた母犬クムスンの感動的な物語が、多くの人の心を掴んでいます。この記事では、クムスンの勇敢な行動と奇跡的な回復、そして新たな人生への歩みをご紹介します。
懸命の救助と献身的な母性
京畿道富川市のイージー動物医療センターに搬送されたクムスンは、火傷で乳首が裂けているにも関わらず、子犬たちに授乳を続けていました。動物保護団体「ユオムパ」の懸命な救助活動によって発見された時、彼女は金属の首輪でつながれたまま鉄製の檻の中に閉じ込められ、迫りくる炎から子犬たちを必死に守っていたのです。
山火事から救出された母犬クムスンと子犬たち
搬送されたクムスンは、被毛が焼け落ち、足裏や首など広範囲に重度の火傷を負っていました。精神的にも大きなショックを受けていたことは想像に難くありません。当初は警戒心が強く、攻撃的な行動も見せていたといいます。
回復への道のり
しかし、献身的な医療スタッフのケアのおかげで、クムスンは徐々に心を開き始めました。今では人懐っこい姿を見せているそうで、チェ・チュンギ院長は「本来は人間が好きな性格なのだろう。今では愛嬌のある子に変わった」と語っています。クムスンは火傷や皮膚の再生治療を受けており、特に重傷だった首の部位も順調に回復に向かっているとのことです。
子犬たちの成長と未来への希望
クムスンの4匹の子犬たちも、母犬の愛情と医療スタッフのサポートを受けながら、すくすくと成長しています。人工授乳を受けている子もいますが、全体的には健康状態も良好で、母子ともに病院内のリハビリ室で穏やかな日々を過ごしています。
治療を受ける母犬クムスン
獣医師の山田先生(仮名)は、「母犬が子を守る本能は非常に強いものですが、クムスンの場合は極限状態の中でそれを示した稀有な例と言えるでしょう。彼女の勇気と愛情は、私たちに多くのことを教えてくれます」と述べています。
新たな人生への第一歩
まだ1歳ほどの若さで、命がけで子犬たちを守り抜いたクムスン。その勇敢な行動と母性愛は、多くの人々に感動と勇気を与えてくれました。チェ院長は「クムスンが新しい人生を歩めるよう、これからも支援を続けたい」と語っています。クムスンと子犬たちが、温かい家庭で幸せに暮らせる日が来ることを心から願っています。