【北京共同】中国が黄海にある韓国との「暫定措置水域」に大型の構造物を設置したことが明らかになり、自国の領有権主張に向けた布石ではないかとの懸念が韓国で広がっている。中国が南シナ海で人工島を造成するなどして実効支配を強めてきた経緯があるためだ。一方、米国との対立が深まる中、韓国との関係安定化を急ぐ中国は「養殖施設」だとして火消しに躍起になっている。
韓国メディアによると、黄海では中韓の排他的経済水域(EEZ)が重なり境界線が画定していないため、両国政府は暫定措置水域を設けて水産資源を共同で管理。航行と漁業以外の行為は原則として禁止されている。
韓国当局は昨春、中国が暫定水域内に高さ数十メートルの移動式の鉄骨構造物2基を設置したことを確認。今年2月に海洋調査船を派遣し調べようとしたが、中国側が妨害し、現場で双方が一時にらみ合う事態となった。
韓国メディアは「構造物を領有権主張の根拠にするのではないか」との見方を相次いで伝えた。中国が構造物を増設するとの見方もあり、韓国は警戒を強めている。