フジテレビの「帝王」と呼ばれた日枝久氏が、ついにその座から降りることになった。長年君臨してきた同氏の退任劇、その背景には何があったのか。中居正広氏のスキャンダル問題、そして後継者争いの真相に迫る。
中居正広氏問題と揺らぎ始めた日枝体制
2025年1月、タレントの中居正広氏をめぐるスキャンダルが、フジテレビを揺るがした。この問題を受け、10時間を超える記者会見が開かれ、嘉納修治会長と港浩一社長が辞任を表明。この時点では、日枝氏は辞任する気配すらなかったという。関係者によると、「戦わずして辞めるのか」と、辞意を申し出る幹部を一喝していたという。
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後継者人事と日枝氏の思惑
辞任表明を受け、後任人事の調整が始まった。当初、元社長の遠藤龍之介氏の復帰が有力視されていた。しかし、日枝氏はこれを拒否。第三者委員会の聴取に対し、日枝氏は人事を巡る様々な判断があると述べるにとどまり、真意を明かさなかった。
遠藤氏による辞任勧告
実は、この遠藤氏こそが、日枝氏に辞任を促した人物だった。日枝氏の側近によると、温厚な性格で知られる遠藤氏が、社内の様々な意見を聞き、ついに決断したという。「これはもう日枝さんに辞めて頂くしかない」と。
日枝氏の怒りと金光社長の決断
日枝氏は、遠藤氏の行動に激怒したという。「ここまで引き上げてやったのは誰なんだ」と、恩を仇で返されたと感じたようだ。このため、遠藤氏の復帰案は却下された。
その後、フジ・メディア・ホールディングス(FMH)の金光修社長は、アニメ部門出身の清水賢治氏を新社長に擁立しようと動き出す。日枝氏への報告は行ったものの、承認を得ることはなかった。第三者委員会は、この件に関して日枝氏からの影響力の行使は認められなかったと結論づけている。
新体制への期待と課題
こうして、日枝氏の長期政権は幕を閉じ、新体制が発足した。今後のフジテレビは、どのような道を歩んでいくのか。新たなリーダーシップのもと、企業文化の改革や視聴者の信頼回復が急務となるだろう。
まとめ:激動のフジテレビ、未来への展望
中居正広氏のスキャンダル問題をきっかけに、フジテレビは大きな転換期を迎えた。長年君臨した日枝氏の退任は、同社にとって一つの時代の終わりを象徴している。今後のフジテレビの動向に注目が集まる。