米中貿易摩擦激化:中国は長期戦に備え、日本への影響は?

米中貿易摩擦が再び激化し、世界経済への懸念が高まっています。トランプ前政権が中国からの輸入品に関税を引き上げたことを受け、中国は長期的な経済消耗戦への覚悟を強めているようです。jp24h.comでは、今回の貿易摩擦の背景、中国の対応策、そして日本への影響について詳しく解説します。

貿易摩擦の現状と中国の対応

米国は中国からの輸入品だけでなく、中国から部品を調達している国からの輸入品にも関税を適用し始めました。中国も報復関税で対抗しており、貿易摩擦は泥沼化の様相を見せています。中国政府関係者は、「先に降伏した方が負け」という姿勢を示し、長期戦を辞さない構えです。

中国とアメリカの旗中国とアメリカの旗

中国は輸出先をアジアやヨーロッパなどへ diversification(多様化)しようと試みていますが、これらの市場は米国に比べて規模が小さく、またトランプ前政権の関税政策の影響を受けているため、効果的な代替策とはなりにくいのが現状です。

中国国内では、人民元安誘導による関税の影響緩和策が考えられますが、資本流出のリスクも伴います。景気刺激策も選択肢の一つですが、企業の設備過剰やデフレ圧力を強める可能性も懸念されています。

専門家の間では、長年、中国の内需拡大の必要性が指摘されてきました。しかし、個人消費を活性化させる具体的な政策は進んでいません。抜本的な政策転換が必要ですが、短期的には製造業への混乱も予想されます。

中国の対抗策:精密攻撃

中国は関税以外にも、戦略物資の輸出規制など「精密攻撃」と呼ばれる戦略で米国に対抗しようとしています。例えば、米国が依存しているレアアースの輸出規制を強化するなど、米国経済の弱点をつく戦略を展開しています。

また、「信頼できない企業リスト」を作成し、米企業への制裁措置も検討しています。復旦大学米国研究センターの呉新波所長は、「中国の攻撃は精密攻撃だ」と述べ、輸出規制を含む非対称的な手段を用いると示唆しています。

レアアース:中国の切り札

中国はレアアースの輸出規制リストを拡大する可能性があり、これは米国のハイテク産業に大きな打撃を与える可能性があります。レアアースはハイテク製品に不可欠な素材であり、中国は世界最大の生産国です。

調査会社ガベカルのアーサー・クローバー氏は、「中国はレアアースを除けば輸出規制で失うものの方が大きいため、中国が受けるほどの痛みを米国に与えることはできない」と指摘しています。しかし、中国がレアアースを戦略的に利用することで、米国に圧力をかけることは可能です。

日本への影響と今後の展望

米中貿易摩擦の激化は、日本経済にも大きな影響を及ぼす可能性があります。中国経済の減速は、日本の輸出企業に打撃を与えます。また、世界的なサプライチェーンの混乱も懸念されます。

エコノミストらは、トランプ前政権が目指した米中貿易バランスの是正は短・中期的に見て不可能だと指摘しています。中国を拠点とするコンサルティング会社プレナムのBo Zhengyuan氏は、「中国は、米国の措置が交渉のための適切な雰囲気を作るのに役立つとは考えていない」と述べています。

香港大学ビジネススクールのジウ・チェン教授は、最終的には「どちらの国がより効果的に自国民を管理し、この貿易戦争による経済的影響を制御できるか」が勝敗を分けるとの見解を示しています。

米中貿易摩擦の行方は不透明ですが、日本企業は、サプライチェーンの見直しや新たな市場開拓など、変化に対応していく必要があります. jp24h.comでは、引き続き米中貿易摩擦の最新情報をお届けしていきます。